第4回FD研修報告(小浜キャンパス)

テーマ: 「コミュニケーション研修 ?聞かせ上手をめざして?」
講 師: 福田健 (株)話し方研究所
日 時: H18 年6 月15日(木) 13:00?16:30 迄
場 所: 交流センター 104
参加者: 15 名

研修内容
始めに「聴衆を引きつける技術」についての講義があり、その後、グループに分かれて一人ずつ3分間スピーチを行い、グループ内で改善点などを指摘しあった。最後に福田先生から聞かせ上手になるためのアドバイスがあり、全体の話を総括していただいた。

第1部:講義
聴衆を引きつけるためには、次の5つの点を注意すると良い。
・「見る」:誰がどこにいてどんな様子かを見渡し、相手の存在を意識するようにする。
・「間を取る」:いきなり話し始めず、少し間を取ってから話し始めると、相手が聞く姿勢になる。
・「問いかける」:話し始めの段階で、主題に関する問題を提起し、疑問を抱かせたり興味を持たせたりする。
・「動く」同じところにとどまらず、時々歩き回ったり、身振り手振りを取り入れることで聴衆の目を引きつける。
・「自己開示」:話の中で自分の考えや体験談をストレートに表現すると、相手が心を開いて素直に聞いてくれることがある。

コミュニケーションの決定権は聞き手が握っている。
・発信者の伝えたいことがそのまま受信者に伝わっているとは限らない。どのように受け取るかは受信者次第である。
・受信者を認識し、理解した上で、発信するのがコミュニケーションである。
・受信者の思いがけない受け取り方が、逆に発信者にとっては刺激となり、発信の仕方を見直すきっかけとなる。


第2部:グループに分かれての発表&討議
4〜5名ずつの3グループに分かれて、一人3分間でスピーチを行い、話す際の注意点や話す内容についてグループ内で指摘しあい、コミュニケーションの取り方について討論した。スピーチのテーマは、学生の学習意欲を高める方法やこれからの大学教育のあり方、研究に関する方針など、各自で適当に選択した。スピーチをする際は、以下の点に留意し、スピーチの後にそれぞれの項目がどの程度達成されていたかを自己採点した。
・話し始めで間は取れているか
・相手とアイコンタクトを取り、目で話しかけているか
・明るく生き生きとした表情で話しかけているか
・はっきりした発音で相手が聞き取りやすく話しかけているか
・何が言いたいか、主題が一行化されているか
・話の入り方、切り出し方が工夫されているか
・内容が順序だって展開されているか
・具体的な表現で説明できているか
・要点を一言で簡潔に表現できているか
・相手がどのような立場の人間かを配慮して話しているか

第3部:総括
発表を受けて具体的なアドバイスをしながら、まとめの講演をしていただいた。
発信者側が心がけること
・言葉に関心を持ち、語彙を豊富にすることを心がける。その上で、適切な言葉を選択し、組み合わせて表現する。
・身近なところか話材を見つけ、エピソードや比喩などを取り入れながら、話が単調にならないよう工夫する。
・相手の感情、情緒、心理までふまえて発信するよう心がける。


研修の感想
福田先生は、まさに「聞かせ上手」を実践されており、目配りや手振りそぶりなどの動作もそつなく、大変参考になりました。どうしても抽象的、概念的になりがちな内容でも、自身の体験談や比喩などを交えてお話くださったので、全体を通して非常にわかりやすかったように思います。グループ討論は、少々照れくささもありましたが、話の展開の仕方について指摘しあうというのは自分にとって貴重な体験でした。時間が限られていたため、質疑応答の時間を設けることができなかったのが残念でした。