2005年度 第2回FDワークショップ

研修概要報告書(pdf)
2月21日(火)13:00〜16:30
「話が上手くならなくてもよい」「無理に面白く話そうとする必要なし」「聴く相手のことを考えることが大事」という前置きに始まり、コミュニケーションのとり方を、講師の、上手い比喩と体験談、間合いの上手な話によって学んだ。あっという間の、3時間半であった。

グループで討論
教室での授業の難しさについて、4名×4グループで討論を行い、代表者が発表するワークを取り入れた。発表概要はつぎのとおり。

1班(看護学科2名、福祉学科1名、情報C1名 発表牧野知恵先生)
・わかりやすいことが求められるが、学生には苦労して学習させたい
・教員が教えたいことと、学生が求めるもののギャップ
 コメント やわらかいものを噛んでいると歯がだめになる。ポイントをしぼる

2班 (看護学科1名、福祉学科2名、情報C1名 発表 小林明子先生)
・大教室・学部横断授業における学生のインセンティブの差にいかに対応するか
  シンプルにする、具体的な事例、参加型ワークショップ
  ITを利用した学習支援、ITを利用したクラス分け、
  カードやマイクを利用した意見聴取と教室運営
・IT利用による授業効果は期待されるが、どの労力が大きく、サポートが必要

3班(経営学科1名 看護学科2名、学術教養C1名 発表 田中求之先生)
・場のコントロール、きいてもらうことの難しさ
・伝えられないことへの割り切り、どの程度で割り切るべきか
・知識を伝えること、理解させること、のバランスをいかにとるか

4班(看護学科2名、福祉学科1名、情報C1名 発表 細谷純子先生)
・講義は15回の連続的な話、飽きられる
  コメント 
  初心が大事、なれるのはよくない、服を変える、学生は外見から入る
  いかに新鮮さを出すか、トピックをいれる
・伝えたい内容が頭にあり、話し方は二の次になる
  コメント
   能力差がある学生のどの層をターゲットにするか、
   先生と生徒の間の世代ギャップ、学生の気持ちをつかむ、など

講師の置き土産:話し方の「まみむめも」
まてよ、みなおす、むき(視点)を変える、めくばり、もんだい意識

はなし方ポイント
(0)基本
・聴衆分析
 聞き手の関心事に触れる、本気で相手の中に入る
 反応のないのは親近感と警戒心の両方
・自分と相手は違う、相手の理解の仕方はまちまち
・自分にしか話せないことを話す
・話したあと、うまくいかなくても、くよくよいしない
(1)目的と基本的な方法
・目的をきめる
  目的わからせることが目的か、 わからせること?、実際にやれるようになること?
・わかり方の深さをどこにおくか
 興味関心だけいだかせればよい場合もある 期待度と、時間のかけ方
・目標をどこにおくか
・聴衆の層をどこにおくか
・話し手と聞き手の両方が話しに責任を共有する
  聞き手が理解できないのは、話し手だけに責任があるわけでも、聞き手に責任があるわけでもない
(2)教室で
・アイコンタクトは重要

・間合いの大事さ
・比喩(意外性や類似性Z)、具体例は事前に、常時考えておく
・強い言葉は不要、優しい言葉でしかる
・指圧のようにツボをおさえて話す、しかる
・20分であきがくるのでジョークをいれる
(3)教室外での訓練など
・時間がないので話せないは、ウソ
 1分350字、会議の発言を1分にまとめるなど毎日トレーニング
 3分発表会

アンケート

講師作成のアンケートに12名の方がお応え下さいました。満足度の高かったことが伺えます。参加されなかった方も、お読になると状況が目に浮かびます。

参加者メモ
@ 講師の教え方について(5段階評価の4.8)
1 ゆっくりでユーモアの比喩が多く分かりやすかった
2 間合いと比喩のすばらしさ
3 幅広い事例を参考に楽しく学べた
4 ジョークなど多くを交えて飽きずにきけた。自分の話し方と比べてゆっくりで間合いの長いところが特に参考になった
5 さすがコミュニケーションの専門家と思った。適切な箇所に適切な具体例を使い、魅力的だった
6 少しゆっくりすぎるかなと思うこともあったが、ポイントが明確で整理して聴くくことができた
7 無駄がなくさすがと感じた。具体例の示し方、比喩の使い方などとても参考になった。
8 講和中心でしたがだれることなく眠くもならず多彩なお話がきけて大変楽しい時間が過ごせた。
9 間の取り方、声の質が聞きやすく、具体例を有効に使いながら聞き手に伝えていた。さすが話し方研究所所長さんだ。
10 ただのコミュニケーションではないこと、考えや態度も含む
11 具体例の話し方がビジュアルでよかった。参考にしたい
12 エピソードや体験談が具体的で分かりやすかった。ユーモアがあり、リラックスして聞けた。間の取り方が良かった
A 今回の研修は今後のあなたの業務に有効ですか?(5段階評価の4.3)
1 講義のみならず学生や患者とのコミュニケーションに役立つと思う
2 一般の状況と教室の違いはあるが、有効
3
4
5 具体例を使い、学生の興味をひきつけながらの授業するよう努力しているが、再度その事例で相手に何を伝えたいのか、意識したいと思う
6 早速生かされると思う
7 看護にとってコミュニケーションは基本であり、今回の講義も既知の内容ではありましたが、忙しさや慣れのために原則的なこと、大切なことをなおざりにしていることに改めて気づきました。
8 主として会話の方法に関する話が中心であったのに、教員の関心が内容に傾いていたため若干ズレは感じましtが、講師のほうも意識しておられた。業務というよりむしろ日常生活に役立つかもしれない。
9 改めて話とは?を見直してみたい。話し方診断書を使ってみます
10 日常の観察や視点の変え方が生きてくることを改めて感じた
11 講師の話し方が、セミナーの内容と合致していて大変参考になった
12 自分の課題をGWで出すことができ参考になる意見がきけた
B 講師のコメントをどう受け取りましたか?(5段階評価の4.4)
1 経験・知識が豊富なのでコメントに説得力があった
2 大学の教室に当てはまらないものについては少し工夫が必要か
3
4 大教室での場のコントロールの方法(叱り方など)についてもう少し具体的なアドバイスがあればなおよかった
5
6
7 平易な表現の中にも本質をついた鋭い指摘をされていた。
8 私自身、話の本筋より傍話の「人生の知恵」的な話に大変感銘を受けた
9 グループワークの発表に対し適格コメントでした
10 具体例と比喩がよく分かった
11
12 まみむめもはなるほどと思った。日頃から語彙の集積や、気づきが大切と思った。私も最近日記を付け出したが、毎日が単なる連続でないことにびっくりしている
C 受講時間について(5段階評価の3.5ただし、5長すぎる 3適当 1短い)
1
2 3分スピーチを全員する時間がほしい
3 もう少し短いものを回数多くすると多数が学べてよい
4
5
6
7 聴き取る力があってこそ、話す内容にも説得力が伴う。人柄がコミュニケーションに現れることが素直に理解できた
8
9 途中休憩をいれていただいたが、少し疲れた。学生の気持ちが分かった
10
11
12
D 実習の効果について(5段階評価の4.2)
1 一般教育の教員が講義の中で何を悩んでいるかを聞くことができ役立った
2
3 パワーポイントなどを使うべきと思っていたが、今日の話は、自分のアイデアを自信をもってやればよいと確認
4
5
6
7 問題に出会うと留まってしまう。その原因はなにか、さらに突っ込んだ討議をし、皆さんの意見を聞きたかった
8 気分転換にもなった
9 分野の異なる教員の話を聞き、各自が講義を工夫されていることが分かった
10 実際にしてみると目配りができない
11 話をするなかで問題点が整理されたのが良かった
12 日頃話すことの少ない先生方と話せて大変有意義であった。もっと話す時間があってもよい
E この研修のなかで発見した、自分自身の問題点は何だと思いますか
1 見直すという経験がないことに気づいた
2
3
4 未知と既知のバランスへの意識の欠如、講義の目標をはっきりさせることが必要
5
6 話し方そのものの工夫と、内容を精選し、意味が伝わるようにすること、聴衆分析の不足
7 取捨選択に迷う、一度に多くを求めすぎる。他の価値観やものの見方に影響されやすい(根拠のなさ、成り行きの不安、他からの評価など)
8 NVCにはもっと工夫すべき点がある
9 伝えたい内容と量を聞き手にいかに伝えるか、間のとり方、聴衆分析をしっかりすること
10 具体例をあげて説明することが大変、目標をきめること
11 慣れてくると学生の反応をみないで授業をしている
12 目標を明確にすること、何をどこまで教えたいか明確にすること、参加型授業の工夫
F その問題を改善する方法を、研修の中で見つけましたか?(3段階評価の2.7、3見つかった、2わからない、1みつからない)
1
2 聴衆分析は学生を理解する上で有効
3 今の方法でよいと確信
4 まだまだこれから考えないといけないが、一般教育(自由科目)ができること/すべきことを考えるうえで有効だった
5
6 授業で話す内容を絞り込み適切な例を選んで意味付けをする
7 頭ではわかっていても実際にできないところに葛藤がある。ハウツーの方法論を学んで改善できることもあるが。結局、自分自身の力量(分析力や統合力など)をつけることに集約されるのかと思う
8 自身の力量(分析力や統合力など)をつけることに集約されるのかと思う
9 3分間スピーチは有効かもしれません。チャレンジしてみます
10 語彙が豊かになるよう言葉を集める
11
12 話をしながら学生の反応を観察すること
G テキストシートについて(5段階評価の3.9)
1
2 頁を振っていないので資料にとらわれずよい
3
4 今回は先生のお話を中心に進められたので配布物などはこの程度でよかったと思う
5
6 情報量が少なく、明確であること
7
8 改めてゆっくり見直してみます
9
10
11 後で自分で学習する参考になるので良い
12 分かりやすい
H その他、感想・ご意見・ご希望をお聞かせ下さい。
1
2
3
4 グループ討議の時間に他学部の方たちと意見を交換できたのがよかった
5 相手の気持ちを引くようなトピック、ユーモア、比喩を使えたらと思いますが、苦手です。比喩うを使うには意識の訓練が必要と思いますが、普段どのような努力をすればいいでしょうか。比喩というのは、相手にイメージが広がり、効果的と思う。
6 自分自身を見直すきっかけになりました。例題も生き生き伝わってきました。話方をしっかり考えることは、ある意味で生き方を考えることにもつながると実感できました。電車の中で席を譲ってくれた女性の例、早速マイナスを恐れずという心構えで、周囲の人とともに実行していこうと思います。
7 ここ2年ほど取り組んでいる研究の関係で、会議の内容をテープに取り逐語録を作成してきた。これを読み返すと自分自身のくせがよくわかり、恥ずかしいやら落ち込んだり。自分自身を知ることが何よりも大切と痛感している。
8 大学での話なら1.講義、2.演習、3.対話のような状況ごとの話がきけたらと思う。
9 他学部、他学科の教員と討議できたことが有意義だった
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参加者メモ