文部科学省 GPフォーラム参加報告

平成17年度「特色ある大学教育支援プログラム」フォーラム出席報告
経済学部経営学科講師 木野 龍太郎

日時: 2005年11月23日 10:30 - 18:00
場所: 国立京都国際会館(京都市左京区宝ヶ池)

10:30 - 12:30 ポスターセッションにおいては以下のブースにて説明をうけた

@大同工業大学
 「全教員を対象にした公開研究授業の組織化
 −授業改善のためのフィードバック・ループ形成の試み−」
 授業開発センターを設置
 公開研究授業は毎週1回、半期9回、年間18回行われる
 専任教員、非常勤教員を含めて全ての教員の授業について実施
 4年間の取り組みの結果、専任教員の8割について公開授業を実施(授業参観教員数はのべ712名)

A東京電機大学
 「学生の自主・自律を支援する個別重視型教育」
 講義−50分×週2回 (実習は75分×週2回)
 授業料−単位従量制(履修単位に応じて授業料が決まる)
 ダイナミックシラバス−入学時に学習目標などを基にして4年間の履修計画を作成し
 セメスターごとに履修した科目と目標の修正などを踏まえて
 再度卒業年度までのシラバスを作成することを続けていく(教員・スタッフがフォロー)



B千葉商科大学
 「大学の社会的責任としての環境教育の展開
 学生を主体としたISO14001取得
 教授会・環境委員会・ISO事務局・環境ISO学生会議との連携による環境教育活動

C岡山大学
 「新機軸『学生参加』による教育改善システム」
 学生・教職員教育改善委員会を通じた学生参画型の教育改善
 同委員会からの正式提案は大学の公的審議ルートに乗り短期間に実現される
 学部のFD活動にも独自に学生を参画させる取り組みも行われる
 教員対象の学内FD研修にも学生が参加

13:00 - 17:00 フォーラムに出席

@事例報告
 ・慶應義塾大学
  「文系学生への実験を重視した自然科学教育」
  福沢諭吉の説いた自然科学教育の重要性(文理問わず)を具現化している
  現代社会の要求に応え、自然科学本来の意義に触れることによって
  科学的考え方を身に付けることが目的
  講義と実験を連携させて教育の相乗効果を狙う(年間で実験13回+講義13回実施)
  1949年から半世紀以上にわたり精力的に実践している

 ・広島大学+山口大学
  「工学系数学基礎学力の評価と保証−グローバルスタンダードをめざして−」
  数学の総合力が要求される技術者の育成を行うにあたって
  工学系数学の統一試験の実施を通じて工学系数学基礎学力の評価と保証を行う
  試験の結果を受けて教育効果の点検を行い、授業内容やカリキュラムの改善に反映させる
  試験結果は大学間の比較に用いるものではなく講義担当者に分析結果をフィードバック

 ・宮崎県立看護大学
  「到達目標を共有する教育プログラムの取り組み」
  ナイチンゲール看護論をベースとした「個別科学としての看護学」の体系化
  自己学習−グループ学習−個別指導−自己評価システムの実施
  看護技術習得課程を3方向からのビデオ画像に記録し自己モデリングを可能としている
  自己の演習内容を振り返ったりグループメンバーからの評価が受けられるようにしている

Aパネルディスカッション
 ・大学理念をどのようにプログラムへと落とし込み、多様な人材を送り出すことが出来るようにするか
 ・あくまで主人公は学生であり、生き生きと自ら学ぶなかでいかに理念を達成できるようにする
 ・特色については評価は難しいが、そのプロセスに関しては評価を行うことが出来る
 ・大学で学ぶことのエクセレンスと学術知と結びついた成長を図る
 ・教育の品質保証という意味でのPDCAサイクルを構築することが必要との
  スタンダードが形成されているが、それが実効性あるものとなっているかがポイント
 ・好ましいことではないが、教養・人文系が通りにくく理科系が通りやすい傾向にある
  文系では大学教育の品質保証が難しく成果が見えるのが先になる
 ・各部署が連携して取り組みを行い、その実績がきちんと見えているところが評価されている