海洋生物資源学部が誕生 新たな研究分野を拓く!学生定員増員(40人→50人)
海洋生物資源学部 海洋生物資源学科の教育・研究 世界水準の教育を実現!潰瘍生物資源学部の教育目標メッセージ 海洋生物資源科 教授 青海忠久 「若狭小浜の鯖はおいしい!」。歴史ある鯖の町、復活へ。メッセージ 海洋生物資源科 教授 廣石伸互 環境もメタボリックシンドローム? 世界初のウィルスで、綺麗な自然を。
”海洋生物資源学部”で学べることは、こんなにたくさんあります!
海洋生物資源学部 海洋生物資源学科の教育・研究

地球規模の環境変化や人間関係は、人類に残された最後のフロンティアといわれる海洋にも大きな影響を与えています。 海洋生物資源学部は海洋生物資源の持続的な利用を目指して、海の生態系における多様な生物と環境因子との関わりや、海洋における生物生産の仕組みを理解し、さらに「食」を中心とした海洋生物資源の利用加工やそれらの流通と消費過程に関わる基本的な知識と考え方を習得します。

世界水準の教育を実現!海洋生物資源学部の教育目標
  • 幅広い視点を持ち、同時に自らの社会的役割を理解して行動できる資質を身につけます。
  • 専門基礎能力とさらに進んだ専門知識と応用能力とともに、自主的に学習を継続する能力を身につけます。
  • 必要な情報を収集し、それらをもとに解決のための計画を立案し、充分なコミュニケーションを図りながら、
    制約された条件の中で実行する能力を身につけます。

海洋生物資源臨海研究センター研究センターHP

日本海の海洋生物資源の保全と育成を目指し、生物生産システム保全の基礎研究から最先端の応用技術までバランスのとれた 研究教育を推進しています。産官学の共同研究にも取り組むなど、地域にも貢献しています。研究棟には、漁病実験室、産卵制御 実験室、調温水実験室、開放実験室、環境生物実験室など各種実験スペースを有し、様々な研究に取り組んでいるほか、飼育実験 棟には、培養・飼育スペース、標本測定室、飼育実験室、冷凍・冷蔵庫、工作室などを配置しています。

メッセージ messege 海洋生物資源科 教授 青海忠久先生
「若狭小浜の鯖はおいしい!」。歴史ある鯖の町、復活へ。
福井、特に小浜キャンパスのある若狭・小浜にとって、鯖は町や文化、歴史を語る上で重要です。でも悲しいことに近年、地元産の鯖は少ないのが現状です。「鯖が小浜にとって意味のある魚だけに、何とかしたい!」と思いました。そこで“鯖”を名実ともに小浜の名産にする試みが始まりました。市場で価値のあるサイズは約500g以上。一方、小浜近海では、200g程度の小サイズが結構たくさん獲れている。“これをしっかり育てれば大きくなるはず!”と、期待を膨らませました。地元漁師の協力を得て、約200gの鯖を育成しようと集めてもらっていたところへ、2005年の『台風』23号の直撃を受けて失敗。実験を順調に進めるために、人工種苗生産に取り組みました。小浜初の人工種苗の育成は、フグ養殖で有名な小浜市阿納地区の業者に協力を依頼。最初は順調でしたが、今度はフグの寄生虫により大半がダメージを受けてしまいました。しかし2年目には1年で500gに成長したものもあり、短期間で市場サイズに成長することも夢ではないとの手応えを感じました。しかも、人工種苗を育ててみると1年で親になりました。鯖の完全養殖サイクルが確立し、1年で市場サイズの“小浜産の鯖”を出荷できる目処がたちました。
やはり“刺身でおいしい魚”としてブランド化を目指したいですね。ちなみに以前、この養殖鯖を京都の料理人に託し、刺身や焼き物で食べてもらったところ、『刺身の口当たりが良い』『脂があっさりしている』『ちょっと風味が足りない』などの感想を得、総合的には高評価!地元でも食べてもらい、いろいろな方々との協力によって処理法や管理法などの新たな課題にも取り組んでいます。
海洋生物資源学科 教授 青海忠久

小浜市堅海にある海洋生物資源臨海研究センターに設置された水槽内で泳ぐ2年目の鯖。餌は成長に応じて変えるが今回はイカナゴ。そのほか栄養分も含まれています。

研究を進める中澤雄介さん(博士前期課程2年)。「成長過程がじっくり観察できる飼育実験は本当に楽しい」。上の写真は、水槽内の卵を濾過してすくいとっているところ。このような道具は、必要に応じてすべて手作り。

メッセージ messege 海洋生物資源科 教授 廣石伸互先生
環境もメタボリックシンドローム?世界初のウィルスで、綺麗な自然を。
「アオコ」(下写真)は昔からありましたが、福井県を代表する三方五湖をはじめとして世界的に発生しています。 「アオコの正体は植物プランクトンの一種、ラン藻という微小な藻類」の異常発生です。原因は都市排水や肥料を含んだ農業排水、底泥、工場排水などあり、そこから考えられるのはラン藻の栄養過多、つまり“環境のメタボリックシンドローム”(以下メタボ)です」と廣石教授。
メタボは人間同様、良いことはありません。アオコ発生で景観が損なわれ悪臭を発生。悪臭は魚にも移り、大量死の可能性も大。中には有毒成分もあり浄水が詰まることも。この悪役アオコ絶滅に立ち向かったのが、廣石教授とスタッフ、学生たちです。
「アオコの毒の有無とDNAの量を調査し、有毒アオコの正確な判別・定量法を開発。それを受け“ウィルスが関わっているのかも?”という仮説を立てて実験を進め、ついに有毒アオコだけにダメージを与えるウィルスを分離しました。世界初の発見です!」
この成果は2008年の福井県科学技術大賞を受賞、国際ジャーナルにも受理された偉業です。そして現在、県内外での実験で成果を上げつつ、アオコの発生機構の解明や、アオコ発生にウィルスや細菌がどのように関係するかなど、実験と研究が続けられています。
海洋生物資源学科 教授 廣石伸互

アオコとは、湖沼の表面に緑色や青色の絵の具を流したようになる現象。
「アオコの詳細がわかってきて、研究の面白さを実感しています」と鹿嶋亜樹さんと本田貴史さん(博士前期課程2年)。