カナダ漁業調査記−2005年8月〜9月
 
              カナダ滞在中に書いていたブログのコピーです。
 
2005年08月18日 22時16分09秒
ブログを作ってみた。
 
カナダ調査に向けてブログを作ってみました。
調査は8月26日から9月23日。
まだ準備ができていなくて大わらわなのに
ブログを作る暇はみつけてみた。
 
ただいまインタビュー項目を最終調整中。
とか言って,英訳中のが1本と和文から作るのが1本。
まだプリントアウトしてないし〜
 
私の生存が気になる人はたまにチェックして下さい。
カナダでネットにつなげられれば更新します。
 
 
2005年08月20日 00時52分24秒
漁業調査というものは・・・
 
人によってやり方が違うと思うのですが,
私は基本的に北大でやっていた方法を自分でアレンジしています。
(北大の先生は「そんなやり方教えてない」とか
 おっしゃるかもしれませんが・・・)
 
その地域の漁業全体のことが分かる人にコンタクトを取り,
インタビューをする。
その後,漁業者に直接インタビューをしてあれこれ聞く。
 
日本だと漁業協同組合にコンタクトを取れば,
全体のことも教えてもらえるし,漁業者も紹介してもらったり
・・・と色々とありがたいのですが,
カナダは,地方では組織はあっても事務所を構えていたりしないので,
誰か適当なツテを作って,そこから個人的に紹介してもらいます。
いもづる式なので現地に行ってみないとどうなることやら・・・
というのが玲子流です。疲れるけど確実。
 
 
2005年08月23日 03時00分54秒
アポ2件(正確には1件半)
 
インタビュー依頼のメールを出しまくっているのですが返事がなかなか来ない。
まあ,向こうにしたら1週間近く先のことなので(カナダでは)無理もない。
 
と思っていたら,「火曜日の9:30に来てください」というメールが!
この団体は,名刺整理をしていて
「あれ?そういえば前回の調査で行ったっけ。なんか親切だったな」と思って,
他よりも後に依頼メールを出したんですが,返事は一番早かった。
調査の趣旨と微妙に違う活動をしている所なんですが,
前も突然行っても色々教えてくれたし,今回は質問項目をメールで送ってあるし,
すれ違いってことはなさそう・・・良かった。
 
もう1件は,コンビニでお酒を買って家に帰って来たらメールが来てた。
「喜んでお会いしますよ。St. John'sに着いたら会う日を決めましょう」でした。
やっぱり「カニの輸出について教えて下さい」と頼んだしなあ(日本はお客さん)。
ここは,意中の業界団体が解散していて,
ネットで調べまくったあげく,この団体が引継団体?になっていることを知って,
大急ぎで依頼のメールを出したのでした。
電話でアポ取るの,苦手なんだけど・・・まあ,いいや。色々教えてもらおう。
 
 
2005年08月25日 01時02分51秒
こういった準備も・・・
 
出発は明後日ですが(日付が変わって正確には明日),荷造りは終わりました。
 
私は髪にマニキュアをしてるんですが,
それが28日も海外に行くとなると色が落ちてしまうんですね・・・
と母に話していたら,
「そんなの,今から染めれば1ヶ月もつよ。常識だよ(←入院前の)。」
と言われ,急遽染めているところです。
 
持っていく洋服が多すぎると言われたりもしましたが,
毎日同じ服着たくないし,かなり縦(南北)に移動するから色々いるし
・・・仕方ないんだもん。
なんとか28kg(パソコン類除く)に収めました。
明日スーツケースをとめるバンド(というのか?)を買えば完璧!
問題はどこに売っているかだ。。
 
 
2005年08月28日 02時09分45秒
St.John'sに着いた
 
関空→バンクーバー→トロント→St.John'と乗り継いで
ようやく目的地に到着〜。
当初の予定では23時間だったのだけど,
バンクーバー→トロントで飛行機が遅れて乗り継げなかった。
「ホテル用意してよねっ!」くらい交渉するつもりで,
勇んで「お客様サービス」のところに行って,
「I miss the flight!」と言ったらあっさりとホテル手配してくれました。
乗り継げなかった・・ってのは初めての経験で,
(オーバーブッキングはしょっちゅうだけど)ちょっとどきどきしたよ。
 
こんなこともあろうかと着いて2日は予定を入れてなかったので,
大きな問題はなし。
時差ぼけというより,飛行機の中で暇すぎてウトウトしすぎてるが悪いような。
 
結構涼しいです。キャミソール持ってきたのに使わないかも。
まあ無事について,こうしてブログが更新できて良かった。良かった。
 
 
2005年08月28日 23時52分35秒
飛行機の中で。
 
話が前後しますが,St. John'sへの飛行機の中で,
隣に座っていたおじさんに「Newfoundlandへ何しに行くのか?」と聞かれました。
で,「私は漁業経済学者で,漁業の調査に行くんです」と言うと,
「底魚の崩壊で,本当に困っている人がいるんだ。特に西の方は。」
と熱く語り出しました。(私の経験上,この人は漁業関係者でしょう。)
 
で,本題ですが,
おじさんは「どこに行くんだ?大学か?DFO(漁業海洋省)か?」と言うので,
「DFOと州政府,それに漁業者と加工業者の団体です。
 でも私のメインの目的は,漁業者にインタビューすることです。」と説明すると,
おじさんは「漁業者にインタビューするのは良い」と
(たぶん)我が意を得たりという顔をしていました。
 
おじさん,ちょっと訛りがきつくて聞き取れない部分があったのが心残り。
パソコンも好きそうで,そっちの話題も熱く語ってましたが。
 
で,アップした写真は資料漁りに行く予定の
Memorial Universityです・・・宿から近いし,バスターミナルだし便利。
 
        
 
2005年08月29日 08時45分25秒
カナダを食べ物で実感
 
なかなかカナダに来た実感がなかったところですが,
ようやく「あぁカナダだなあ・・」と。
お昼ご飯をTim Holton(ファーストフード店)で食べたら,
コーヒーが薄かった。これこそカナダのコーヒーですよ。
お茶の時間はSecond Cup(カナダのコーヒーショップ)へ行きました。
ここのコーヒーも薄めでした。
 
写真はTim Holtonのチリ・ランチセットです。
パンとベーグルがついて来たのでパンは明日の朝食に回します。
ちなみにチリ・ランチセットはすごく美味しかった。また食べる予定です。
 
遊びの話ばっかりですが・・まだ調査始まってないんで。
 
        
 
2005年08月30日 05時18分57秒
電話の音が・・
 
いきなり鳴ったので反射的に「Hello」と出ると,
「こちらは,○○だけど,漁業の聞き取りをしたいんでしょ。
 漁業海洋省に来るのは木曜日の午前中でいいか?
 あ・・・そちらはreikoですか?」
とまくしたてられて,「はい。木曜日に行きます」と返事をしました。
「で,インタビューを受けてくれる方のお名前は?」と聞くと,
「Tomy Xxxx。スペルは・・」
最初に名乗ってたんだろうなと思いつつもスペルをメモメモ。
向こうからかけてくれるなんて意外だったけど,良かった。
 
次にSt. John'sに着いたら電話をくれと言われた人に電話をかけて,
「・・と言われたので,St.Jon'sに着いたから電話しました」と言うと
アポを入れてくれました。よしよし,これで3件アポ確保。
 
午後はNewfoundlandの資料が置いてあるセンターが
大学の図書館の中にあるので,そこで資料のコピーをとってました。
 
長いわりに面白い話題もないので写真の説明。
これは駐車場にあったトヨタの車ですが・・なんか変でしょ。
ナンバープレートがね・・・ほとんどの車がこうです。今日気が付いたのですが。
 
         
 
2005年08月31日 05時46分23秒
聞き取り調査1本目。
 
疲れた・・
日本語で2時間聞き取り調査しても,いい加減疲れるのに,
英語でそれだけ集中してるのはさすがにきつかった。
現地調査にもだいぶ慣れてきたので,
最近はテープに録音もしないし,聞きながらメモとってるんですが。
頭から抜けていかないうちにパソコンに入力しています。
 
私の仮説と違う返答が返って来たので困っている。
もうちょっと数字を見ないと。
今日は超すばらしい報告書を入手したので早く読みたい。。
(CDだからこのパソコンじゃダメなのさ)
 
スケジュール調整に四苦八苦してるんですが・・。
でも相手してもらって四苦八苦するのは,まあいいや。
数日前までアポは2件で調整するまでもなかったんだし。
 
話は変わって,
塩&酢味のポテトチップを買ったけど酢がきつすぎて・・・
私,前回も同じ失敗をした気がする(味に覚えがあるから)。
 
 
2005年09月01日 09時55分00秒
だから何?という気も。
 
テレビを見ていると日本の紹介番組をやっていて,
築地とか秋葉原とかが映っていました。
続きもので,先週は伝統文化,今週は先端技術の紹介のようでした。
その中で「では,ここでクイズです」のコーナーがあり,
色々あって結果としては,
日本の着物に使われている絹の長さは,
日本海の表面から海底を2000往復もするのに等しいんですよ〜
ということでしたが・・すごいことなんだろうな,多分・・
 
今日の聞き取り調査は2件で,
全く逆の立場の所に行ったのでおもしろかったです。
同じことについて聞いてみるとやはり違う答えが返ってきたり,
事実認識は同じでも評価は全く違っていたり。
聞き取り調査の醍醐味ですな。
 
写真をアップする元気がないので文章だけ。
 
 
2005年09月03日 00時07分52秒
終わったぁ!!
 
昨日でSt.John'sでの聞き取り調査は
全て終了いたしました。
午前中に終わるつもりが
「この人にもコンタクトを取れば?」って紹介されて,
いきなり電話でアポを取るプレッシャーと,
これが最後だと思ったのに〜という気持ちとで,
うぅ〜となりながら電話したら午後に会ってくれました。
 
電話をして「はい,○○です」と言われたあとに
自分の名前を名乗って,
漁業海洋省の××さんから紹介されました。
私は日本の大学で働いていますが,
今は漁業の調査のためにSt.John'sに滞在していて,
でも土曜日に発つので今日の午後か明日に会って頂きたいです。
と一気に話すと反応がなかったので・・・
結構あせって,とりあえず「えーと。私の英語分かりますか?」と。
「それは大丈夫」という返事で,あとは無事に対応してくれました。
 
今日は大学に行って本を探すだけだからプレッシャーもないし気楽。
 
 
 
2005年09月04日 05時42分55秒
ジャネット
 
St.Anthonyに来ました。
St.Anthony は,Newfoundland 島の北端の町で,
今回で3回目の滞在になります。
ここでは,ジャネットという女性(29歳)にアシスタントをしてもらいます。
今日初めて会いました。
よくしゃべる,さばさばした感じの人です。
色々な漁業者,荷役,加工場労働者,選別者(という職があるらしい)に
アポ取りをしてくれていて頼もしいなあと思います。
ただ,ここの人はすごく訛りがきつくて・・・
ジャネットはわりと訛りが少ないので助かります。
前にインタビューした漁業者に「アシスタントを紹介して欲しい」と
(メールがないので)手紙を出したら,ジャネットを紹介しくれました。
 
こちらは月曜日が休日の3連休中なので,私も週末を楽しみます。
既にスーパーで半額弁当を買い,お酒(Newfoundland のラム酒)も用意。
なんかねぇ・・日本にいるときとやってることは同じ・・・
 
       
 
2005年09月05日 06時15分11秒
便利だけどねぇ・・
 
写真はホテル前から写したSt.Anthnyの様子です。
来るたびに同じアングルで写してます。
冬と夏だと違う感じですが,3年前の夏とは変わらんなあ。
 
と思いきや,なんとSt.AnthonyにTim Holtonができたんです!
まあ,ど田舎にモスバーガーが進出したようなもんです。
なんか,どこの田舎も同じような風景に・・って感じで,
最初聞いた時は,あんまり良い気はしなかったんですけどね。
 
昨夜から部屋でごろごろしていた私は,
急に甘いものが食べたくなってスーパーに行ったんですが,
17:00 閉店で明日は Labor Day だから休みだそうです。
しかたなく?Tim Holton へ行ったら
私の好きなキャロットケーキがあって美味しく食べました。
コーヒーも2杯も飲んじゃったし。
しかも24時間営業って言うから,後で夕飯も食べに行きますが・・
 
でもこの地域って日曜はお休み,夜はそこそこで閉店,って
それでみんなやって来たのに,巨大資本の進出はどう影響するかしらね?
意外と次に来たときはなくなってたりして・・とも思ったり。
 
 
2005年09月05日 09時29分29秒
想定の範囲内 ですよ。
 
今回の調査で泊まるホテルを選ぶ時には,
ホームページに無線LANが使えるって
書いてある所ばかりを予約したんですが・・・
 
たぶん,そうスムーズには行かないだろうと思ってました。
経験上・・設備があるのと使えるのとは別だと予想してたんで。
案の定,St.John's のホテルではロビーでしか使えませんでした。
St.Anthonyのホテルは部屋で使えることになってたんですが
全体的に電波が弱くて肝心の仕事机の上では使えない。
部屋の中の色々な場所で試した結果・・・
風呂場が一番電波状態が良好だとわかり椅子を持ち込んでます。
まさか,アレの上に座ってネットするわけにもいかないし。
 
そこまでしてもネットにつなぎたいの!
 
      
 
2005年09月06日 07時37分53秒
まずは1件目
 
今日の13:30から予定されていたインタビューはドタキャン。
まあ,そんなことはよくあるし。
で,Janetがすぐに別に人にアポをとってくれて,
漁業者にインタビュー。
儲かって,儲かって,という感じでした。
 
やっぱり訛りが強烈です。
でも不思議なのは,なぜ私の英語が分からない?
他の場所では通じるのに,ここに来ると通じないんだよね〜
と自ら慰めてみる。
 
で,インタビューのおさらいをジャネットとして,
その後Tim Holton でデータ打ち込みをしていたら,
前回のアシスタントのバーネットに会った。
(なんでこんな所でバイトを?)と正直思いましたが,
彼女は「仕事がなくてね」と言っていました。
ジャネットも失業中で,今度アルバータに出稼ぎに行くみたい。
こんなに不景気を目の当たりにするとは・・
(カナダ全体が不景気というわけではないです)
 
     
 
2005年09月08日 11時43分06秒
自問中・・自答できるかなぁ
 
写真は漁業者に聞き取りしているところです。
この3日間で計6人に聞き取り調査をしました。
自営漁業者が3人,乗組員1人,荷役1人,行政関係1人です。
アシスタントのJanetにこちらの調査目的は伝えてありますが,
誰にアポを取るかは基本的に彼女に任せてあります。
 
すると,インタビューが終わって
(うーん。あんまり面白くなかったなあ。)と思うことがあるのです。
相手が答えてくれないというのではなくて,
この人の話は知ってることばかりだったな。とか,
ちょっと例外的すぎる人に聞き取りしてもなあ。とか・・・
もちろん,どんな相手でも全部知っていることばかりというのは
あり得ないので,何もしないよりはずっと良いのですが。
 
前回来たときは,もっと何もかもが面白くて,興味深くて,
どのインタビューも「良いこと聞いたな。すごい!」と思えました。
どうしてでしょう?
私が年をとって好奇心が衰えたのでしょうか?
それともある程度知識がついて調査目的を絞っているからでしょうか?
 
実は調査目的が自分の中では絞れてきているので,
何でも知りたいわけではないんですね・・マイナーな漁業のこととか。
でもあえて今回はそれを言っていません。
そのためか,彼女が聞き取り調査の最中に話に割り込んで来て,
あまり興味のない話題に及ぶのに辟易していますが。
「興味のない話題」と切り捨てていいのかという疑問も出てきます。
もしかして後で振り返るとすごい話なのかもよ?と。
 
      
 
2005年09月11日 08時06分55秒
週末の散文
 
写真はSt.Anthonyの漁港です。
そろそろ疲れてきたのもあり,
金曜日の午前中に2件,聞き取りをしたことだし,
というこで金曜日の夕方から休みにしました。
土曜日の夕方まで寝てました。
 
今日からムース(大きな鹿?)のハンティングが解禁になったので,
出かけている人は多いと聞いています。
私が明日のお昼を招待されている人も出かけていて,
うまく行けば,明日ムースを食べられるかもしれない。
 
先日ちょっと離れた場所に調査に行った帰りにムースをたくさん見ました。
2匹のムースが誰かのジャガイモ畑を荒らしていたのですが,
そりゃもう,美味しそうにジャガイモを食べていました。
持ち主には気の毒な話ですが。
 
       
 
2005年09月13日 03時38分01秒
違うグループなのね
 
写真は港で見つけたカニカゴです。
今日は午前中に1件聞き取りをしました。
午後に予定していた人は来ず。
どうやら忘れられていた模様・・。
とにかく明日会ってくれるようなのでまあ良いか。
 
さて,今回はなぜか小型船の漁業者の聞き取りが多い。
逆に前回は大型船の漁業者が多かった。
漁業者のもめ事は大型船vs小型船で起こることが多く,
私は両方に話を聞きたかったので2回合わせると丁度良いけど。
 
私はこの点について,今回も前回もアシスタントに注文をつけていない。
むしろ「色々な漁業者に話を聞きたい」と言っている。
すると両方とも色々な村の漁業者にアポをとってくれるけど,
漁業者の階層はどっちかに偏る(All or Nothingではないものの)。
これは,コミュニティ自体がそういう風になっているってことかな。
 
Janetも手持ちのカードが少なくなって来たらしく,
調査もそろそろ終盤に向かっている気配がしてきますね〜
実質あと3日だしね。
 
     
 
2005年09月14日 21時59分17秒
水産物の加工会社
 
車で1時間くらいの所にある水産物の加工会社に行ってきました。
私は漁業の調査(聞き取り調査)をメインにしていますが,
これまでにもいくつかの加工場を見に行ったことがあります。
 
で,写真に写っている工場(=会社)に行ったのですが,
これは決して小さい方ではありません。よくある工場です。
もちろんもっと大きなのもありますが。
行った時には,凍結サバをラウンドで箱詰めしていました。
(どの辺が「加工」なんだと軽くつっこみつつ)
こちらの人の感覚だと凍結は加工だけど,
魚の卵だけ取り出すのは加工じゃないんですね。
 
建物自体は古く(過去にも加工場だったことがある),
「廃屋に新しく加工機械を置きました」って感じの工場です。
で,軽く衝撃を受けたのは,こんな工場でも
HACCP認定を受けていること。
 
マーケットが外国のことが多いカナダの工場では当たり前なんでしょうね。
親会社があって,そこがマーケティング等々をしています。
 
   
 
2005年09月17日 09時31分58秒
Starting Point(出発点)
 
写真は,船を造る木材を切る小屋です。
私は,2002年の2月に初めてSt.Anthonyに来ました。
その時は別の場所で調査をしたのですが,
St.Anthonyが1990年代の底魚崩壊の打撃を非常に受けた場所だと
知っていたので3日間こちらへ旅行したのです。
その時に世話になったJimに再会しました。
彼は当時,船を自分で建造していて,見たら面白いだろうってことで,
私の知り合いに紹介してもらったのです。(船はまだ仕上がってませんが・・)
その時に,雪の中に立ってこの小屋に木材を運び入れたりするのを見ていました。
寒くて足の感覚がなくなったのですが,
「こんな経験は二度と出来ないから」とがんばって耐えました。
そして,あまりに日本と違う漁業のやり方に非常に興味を覚え,
再調査を決意したのです。
その後,2002年の9月に訪れ,今回は3度目の滞在となりました。
もう船の大きさ(こちらはトンでなくてフィート)の目安もつくし,
魚の名前もほぼ覚えきったし,魚と漁法と漁期も頭に入りました。
Jim が「懐かしいだろう」とこの小屋に連れて行ってくれたので,
「ここが私のstarting pointです」と言うと非常に喜んでくれました。
Jim はわりと愛想が悪いので(漁業者らしい),
よく分からなかったのですが,私のことを色々覚えていてくれました。
最初に会った時(会うのは3回目)あげた小さいダルマの置物を出してきて,
「船ができあがったら目を入れるって聞いたからまだ入れていない」と言ってました。
本当に小さいダルマなのに・・と感激しました。
 
そしてSt.Anthonyでの調査を終えました。
今回は12人の漁業者に聞き取りをしました。
その他に漁業関係者にも聞き取りをしたので全部で17件になります。
色々苦労もありましたが,私なりにがんばれたと思います。
 
次はオタワですが,こちらは資料収集がメインなので気が楽です。
 
 
2005年09月18日 03時11分24秒
Kill the Time(時間をつぶす)
 
今回の滞在中に覚えた言葉です。よく耳にしました。
St.Anthonyはこれと言った娯楽がなく,
この人たちは一体何をして時間をすごしているのだろうと思いました。
家を自分で建てる人もいるし,船も自分で造る人もいるし。
家の改造も頻繁にしているようでした(なんか迷子になりそうな造りなもので)。
 
で,私は今,トロント空港で時間をつぶしています。
さっき帰りの便のリコンファームに行ったら
「予約はありません」と,こともなげに言われました。
「どういうことですか?」と言うと,チェックする際の入力ミスでした。
すぐに電話でもリコンファームしました。
私は1999年からカナダに5回来ていますが,
飛行機の予約でトラブルに会わなかったのは最初の1回だけです。
結構いい加減なんですよね〜この航空会社は。
今朝は私のコンピュータのセキュリティチェック忘れてたし。
 
逆に昨日はSt.Anthony空港で嫌というほどチェックされました。
荷物を全部開けて調べられてコンタクトレンズケースの用途まで聞かれました。
19人乗りの飛行機で外国人は私だけだったしね。
 
     
 
2005年09月19日 09時11分55秒
オタワで観光
 
今日は日曜日なのでオタワ観光を楽しみました。
写真は国会議事堂です。おのぼりさんとしては,ここで写真を撮らねば。
さすがに首都で,連邦政府の建物があちらこちらにあります。
ですが今日は観光客ばかりでした。
 
お手洗いで,となりの個室からトイレットペーパーが転がって来ました。
「これ必要ですか?」と英語で聞いたら返事なし。
でもペーパーを引っ張っている様子だったので向こうへ転がすと
「グラシアス」とお礼を言われました。英語が分からなかったのかな。
 
バイヤードマーケット(だっけ?)も観光名所なので行きました。
ここでメープルシロップを買うと安いのです。
8缶まとめて買うと安いですよと言われて買いました・・重かった。
ここでは日本語で話しかけられたのですが,あまり上手でなかったので,
尋ねると日本人とのこと。多分日系カナダ人なのでしょう。
オタワに来るとさすがに色々な人種をみかけますが,
バンクーバーほどアジア人はいませんね。
 
夕飯は中華系の人がやっているうどんのファーストフード店に行きました。
海鮮うどんを頼んだので結構高くつきましたが・・
イカの足,カニかまぼこ,エビ,ムール貝が入っていました。
美味しかったし,なじみ深い味って感じでした。
 
明日は漁業海洋省に電話してアポ取り。
メールのやりとりは済んでいるのですが,電話かけるのはどうも苦手。
 
 
2005年09月21日 10時58分46秒
統計収集
 
オタワに来た主な目的は統計資料を集めることです。
1つは漁業海洋省に依頼するもので,これは担当者に会いに行って,
よーくお願いして来ました。
次に国立図書館にあると事前に知っていた資料をコピーしにでかけました。
あまりに膨大な本をチェックしないといけないので
(30年分の輸出統計だけど,各年1〜2ページしかいらない)
特別入庫許可証を発効してもらいました。
で,ほぼ仕事が完了したので明日は1時間くらいしか仕事がないな〜と思いつつ,
ホテルに帰ってきたら漁業海洋省からメールが入ってました。
「日本の水産加工統計が欲しいのでよろしく」とのこと。
そっちは専門じゃないのに〜と思って,知り合いに電話して統計の内容を聞くと
サンプルをfaxしてくれるとのこと。
おお!これを持って漁業海洋省へ行けば話がスムーズ。
知り合いに感謝!謝謝。
 
カナダの公用語は英語と仏語なので,
基本的に連邦政府が管轄する所へ行けば,両言語が通じることになっています。
でも,連邦政府の役人が全部バイリンガルかと言えばそうではない。
英語だけって人も多いし,ケベックに言えば仏語だけって人もたくさんいます。
ただ,国立図書館の司書さんはみんなバイリンガルのようです。
この場合,圧倒的に仏語圏の人が多い。みんな自分達では仏語で話します。
で,私なんかが行くと英語で対応してくれる。
やっぱり仏語圏の人で英語を話せるって人の方が逆のパターンより多いのでしょうね。
 
      
 
2005年09月22日 09時16分48秒
最終日!
 
写真はオタワ名物のリスです。
 
仕事は完了しました。
心残りは,統計省の図書館を見に行けなかったことですが,
代わりに別の仕事が入ってしまったからだから仕方ない。
 
私が漁業関係の所をうろつくと
まず「日本人か」,次に「仕事か」と聞かれます。
日本人が買付にくることが多いのでしょうね。
本当に日本は世界中から水産物を買っているのだと思い知らされます。
 
私の調査は今回で一段落しました。
必要な資料は集めたし,情報は入手したし,
さて次の仕事は・・・
 
色々な思い出ができましたが,
とりあえずのさようならをカナダに言います。
 
 
2005年10月06日 11時42分23秒
Special Thanks
 
今回のカナダ調査は,
カナダ政府から「カナダ研究論文助成金」を受けて行いました。
資金面だけでなく,調査面でもご助力を頂きました。
 
研究室の教授は留守中の仕事を一部引き受けてくださるだけでなく,
研究上のアドバイスも頂きました。すばらしい上司です。
 
またこのブログを読んでくださった方々,
「読んだよ」の一言がとても嬉しかったです。
1日の仕事を終えてブログを書くのは私にとって特別な時間でした。
 
その他,私の調査を支えてくださった全ての方に
この場を借りて心からお礼を申し上げます。
 
なお,「カナダ調査記」はいずれ私のホームページ(http://www.s.fpu.ac.jp/reiko/)に
お引っ越しをする予定です。
その後,ここは私の日常の雑文を書くブログにしようかと考えています。
10月は超多忙なのでいつになるやら・・でも気が向いたら覗いてみて下さい。