平成16年度日本ジェンダー学会大会

平成16年度には日本ジェンダー学会第8回大会が、下記の要領で開催されました。



日時:2004年9月11日(土) 9:30〜17:30  懇親会(18:00〜20:30)
場所:武庫川女子大 中央キャンパス マルチメディア館(MM館)ホール (〒633-8558西宮市池開町6-46)
協力:独立行政法人 国際交流基金  後援:武庫川女子大学
テーマ:「魔女とジェンダー」
大会参加費:学会員・一般参加者 1500円、学生 1000円(学会員以外の方も参加できます)
昼食弁当代:1000円(希望者)
懇親会費:5000円
(大会参加費、弁当代、懇親会費の振込先は、
郵便口座 00940−2−160415 加入者名 日本ジェンダー学会大会実行委員会 となっています)

[プログラム]
◆開会の辞    会長 冨士谷あつ子                                9:30−9:40
◆基調講演 イングリット・アーレント=シュルテ博士(Dr.Ahrendt-Schulte) ドイツ語     9:40−10:45



         題目:「なぜ女性が魔女として焼き殺されたのか」 
         通訳:小山真理子(ドイツ文学研究者)
◆シンポジウムT「文化の中の魔女」                                 10:45−12:45
        コーディネーター 橋木郁子(ドイツ文学研究者)
        1.絵画の中の魔女像 向井順子(西洋史学研究者)
        2.文学の中の魔女像 野口芳子(武庫川女子大学)
        3.法律の中の魔女像 三成美保(摂南大学)


◆昼休み                                                  12:45−13:30
◆総会                                                    13:30−14:30

◆シンポジウムU「現代の魔女問題」                                  14:30−16:00
        コーディネーター 伊藤公雄(大阪大学)
        1.労働における女性差別 白藤栄子(住友電工株式会社)
        2.母性という名のもとの抑圧 木脇奈智子(羽衣学園短期大学)
◆休憩                                                    16:00−16:20 
◆質疑応答                                                 16:20−17:20


(左から順に、三成、野口、向井、小山、アーレント=シュルテ、橋木、伊藤、白藤、木脇)

◆閉会の辞    大会実行委員長 野口芳子                            17:20−17:30

◆懇親会 ノボテル甲子園(0798-48-1111)バス送迎                        18:00−20:30


「今なぜ大会で魔女問題を取り上げるのか」      大会実行委員長  野口芳子

 世間では今、第3弾目「ハリー・ポッター」が上演され、魔女・魔術に対する関心がたかまっている。映画では魔女としてハーマイオニーというかわいい少女が登場するが、これはあくまでもフィクションである。一方、西洋キリスト教社会では近世において現実に魔女として焼き殺された人々がいた。犠牲者の多くは女性であったが、「魔女罪」で告発されたのは女だけではない。男も子どももいた。一体、それはどういう人々だったのか。なぜそのようなことが起こったのか。「隣人愛」が説かれるはずの西洋キリスト教社会で、逆に「隣人告発」が続発したのだ。共同体における貧者やよそ者、とりわけ一人暮らしの老婆が告発されたといわれる。その背後には、様々な要素やメカニズムが潜んでいるが、それは日本で現在みられる学校や会社における「いじめ」や「嫌がらせ」と通底するものではないか。
 魔女狩りの犠牲者や告発者には女性が多数いたが、裁く側はすべて男性であった。悪魔と契約する魔女という幻想を持つ学識ある男性たちは、キリスト教社会が魔女という「悪」によって脅かされると確信していた。正義感からの悪の抹殺は、現在進行中の戦闘行為と根は同じではないか。
 今、「魔女」は、性別による固定した見方を問い直すのに格好のテーマであろう。


 本年は日本ジェンダー学会設立7周年に当たります。今回は「魔女とジェンダー」というテーマで国際的・学際的な大会になるよう企画しました。幸い、国際交流基金が趣旨に賛意を示され助成してくださることになりましたので、ジェンダーの視点からの魔女狩り研究者であるイングリット・アーレント=シュルテ博士をドイツからお招きすることができました。
 大会は、彼女の基調報告で始まり、午前のシンポジウム「文化の中の魔女像」では、魔女像を中心に絵画、文学、法律などの西洋文化がいかに男性を中心とした視点のによって成立しているかを明らかにしていきます。
 さらに午後のシンポジウムでは、日本における「現代の魔女問題」として、労働の場における女性差別問題をとりあげます。その背景には、産む性である女性に対する「性別役割分担意識」「母性という名のもとの抑圧」などが見え隠れします。
 今回の大会は近代化、西洋化が持つ負の側面と、その産物である近代家族そのものをジェンダーの視点から改めて問い直す、ということに主眼をおいています。
 一人でも多くの会員が大会に参加され、ともにジェンダー問題を考えてくださることを期待します。なお、会員以外の方も参加できますので、知人や同僚の方などとお誘い合わせの上、多数ご参加くださいますようお願いいたします。
 なお、武庫川女子大学構内は全て禁酒・禁煙となっています。ご了承ください。

 アーレント=シュルテさんの本は、目下、翻訳が新刊で出版されています。
     『魔女にされた女性たち』 勁草書房 2003年6月初版、9月(第2版)


大会実行委員会からのお願い

 葉書の返信と振込みによる学会員の意思表示が非常に少なくて困っています。出欠にかかわらず必ず返信してください。参加される方は必ず参加費などを事前に振込んでください。
 今回は特に会員外の参加者が多く、当日の受付は9時半前後に相当の混雑が予想されます。参加費の受領や領収書発行に加えて、会員は名簿をチェックするだけですみますが、会員外の方には住所氏名を記入していただかなければなりません。
 事前に振り込んでくださった場合、会員と会員外に分けて参加者名簿を作成し、弁当券と懇親会券を名札にセットし、さらにレジュメ集を入れたバック(会員は特製の布バック)を用意しておきますので、受付で手間取ることなくご入場いただけます。
なお、当日は夏休み中の土曜日なので、大学食堂や付近の食堂は閉まっています。会員の方は総会出席のため昼休みが少ししかありませんので、弁当を持参されるか注文されることをおすすめします。学会の弁当は実行委員が試食の上厳選した、無添加のこだわり弁当「かみぞの」(わらびの里より美味なので変えました)です。お茶つき1000円の特別価格で提供いたします。ぜひご賞味ください。
 なお、懇親会への参加はまだ余裕がありますが、定員となり次第締め切らせていただきます。懇親会への当日参加は、定員に余裕がある場合のみ受け付けます。
現在、会員以外の方の振込み人数が、会員の2倍という状況です。このままでは当日参加者は学会員でも立ち見の上、レジュメなしという事態になるかもしれません。
まだ確定ではありませんが、ドイツからテレビ局のスタッフがアーレント=シュルテ博士に同行されるかもしれません。学会大会を取材することは可能かという問合せがありました。また、ドイツのトリア大学教授(日本学)の方の参加もあります。
そうなりますと、当日の受付はさらに混雑すると思われますし、非会員の参加者もさらに増えると思われます。参加を希望される会員の方は、当日の混乱を少しでも和らげるため、どうか事前に諸費用を振り込んでくださいますようお願いいたします。
今回はドイツから講演者を招くので、大会実行委員会の仕事が倍増しています。国際交流基金の助成を受けて来日されるアーレント=シュルテ博士の滞日(3週間)計画や企画も、すべて実行委員長が引き受けています。締め切り期日を早めたのも、そういうわけで作業の分散と円滑化を図るためです。
このような事情をお察しの上、会員の皆様方のご理解とご協力を心よりお願いいたします。
締め切り期限をすぎていても結構ですから、できるだけ早く諸費用を郵便口座に振り込んでくだるよう重ねてお願いいたします。なお、領収書の必要な方は、振込み書控えをご持参くだされば、当日、受け付けで領収書の発行をいたします(振込み書に領収書希望とご記入くださるとありがたいです)。
参加者が定員を超える場合は、振り込みの早い人順に参加者を決定させていただきます。また、会場では茶菓のサービスは行いませんのでご了承ください。

参加費1500円(学生1000円)、懇親会費5000円、弁当お茶付(1000円)
振込先: 郵便口座 00940-2-160415 日本ジェンダー学会大会実行委員会

                                                    2004年8月3日 
                                            大会実行委員長 野口芳子



◇会員の方々は、郵送済みのハガキに必要事項をご記入の上、7月24日までに投函してください。名簿作成の資料にいたしますので、欠席される方も必ずご返信ください。
◇会員の方々は、郵送済みの郵便振替用紙にて、大会参加費、弁当代、懇親会費などを一括して、7月24日までにお振り込みください。夏休みに入りますので早めの期限設定になっていますが、ご協力よろしくお願いします(一旦振り込まれた料金は、参加されない場合も返金できかねますことをご承知おきください)。
◇学会員以外の方で大会への参加を希望される場合も、満員の場合は席を確保することができない恐れがありますので、事前に参加費を入金してくださいますようお願いします(入金をもって出席者の人数を把握します)。
◇ホテルのご案内は、あくまで参考までに載せたもので、価格はネット予約のものを表示しています。日本ジェンダー学会ではホテルの斡旋はいたしませんので、各自でおとりください
但し、以下のホテルからは割引価格で提供をいただいております。ご利用ください。
*ノボテル甲子園 兵庫県西宮市甲子園高潮町3-30 Tel:0798-48-1111
 ツイン(2人使用で1人、朝食なし)7000円 日本ジェンダー学会員といってください。
*尼崎 ホテルニューアルカイック 尼崎市昭和通2−7−1 Tel:06-6488-7777
 シングル(税サ込み)7507円 日本ジェンダー学会大会参加者、武庫川学院関係者といってください。
*大阪ガーデンパレス 大阪市淀川区西宮原1-3-35 Tel:06-6396-6211
 シングル(税サ込み)6300円 ツイン(2人で)15015円 日本ジェンダー学会会員といってください。
*新神戸オリエンタルホテル 神戸市中央区北野町1-1 Tel:078-291-1151
 シングル(税サ朝食込み)11000円 日本ジェンダー学会会員といってください。
*宝塚ホテル  宝塚市梅野町1-46 Tel:0797-85-2602
 シングル(税サ朝食込み)8900円 ツイン(2人で)13650円 日本ジェンダー学会会員といってください。
*ホテルグランヴィア大阪 大阪府大阪市北区梅田3-1-1 Tel:06-6344-1235
 9/10(金) シングル(税サ込み)7875円 ツイン(2人使用で1人)8400円
 9/11(土) シングル(税サ込み)9450円 ツイン(2人使用で1人)8400円 日本ジェンダー学会会員といってください。

 その他、第8回全国大会についての提案や質問などがございましたら、武庫川女子大学文学部野口芳子宛にメールやファックスをお送りください。

             
E-mail noguchiy@mwu.mukogawa-u.ac.jp
           電話・ファックス 0798-45-9748(直通)

大会実行委員長 野口芳子


武庫川女子大学への交通アクセスはこちらのページをご参照ください。
http://www.mukogawa-u.ac.jp/gakuin/campus/acc/acc04.htm