開催趣旨

 
 海洋環境問題委員会は、
2001年春に「有明海環境悪化機構究明と環境回復のための提言」を発表し、その後シンポジウムを2回開催して、有明海の環境悪化の原因解明を検討してきた。20059月中旬に「有明海の生態系再生をめざして」を出版して、有明海生態系の再生方向を提案した。この本では、有明海の生態系の変化を漁獲量が減少を始めた1980年以降について検討している。生態系の変化を引き起こした主要な人為的要因として、埋立て、河川におけるダムや川砂採取および諫早湾干拓事業をあげている。1980年以降、様々な影響によって有明海の漁獲量が減少しつつあったところに、諫早湾干拓事業が生態系悪化に拍車をかけたと結論づけている。再生方針の基本は潮流の回復にあると考えて、再生方策として潮受け堤防の開門をまず提案し、さらにいくつかの具体的な検討を行っている。
 シンポジウムでは、このような考えをひとつの素材として、有明海生態系悪化の原因をどのように捉えるのかを検討していただき、さらにどのような再生策が考えられるのか、各分野の方から積極的なご意見、ご提案をいただき、有明海生態系の回復に貢献していきたい。
→第12回ジョイント・シンポジウム →プログラム