開催趣旨

 沿岸域の将来像のをめぐる議論の中で、いかに沿岸環境と生態系を保全、修復していくかが大きな課題となっている。行政的にも、環境影響評価法が制定され、海岸法や河川法が改正されたほか、港湾法、漁業法、漁港法などの改正が検討されるなど、大きな変化が進行している。こうした動向に対応して、(1)南北に長く、内湾や開放性といった地域特性の変化に富み、多様な利用が行われている沿岸域の管理のあり方、(2)沿岸環境の価値の評価法、(3)いつの時代のどのような沿岸環境を目指すのかといったGoalの設定の方法(4)住民や利用者の意見の反映方法、などさまざまな課題がある。
 これらの課題に答える上で、関連分野の学会、研究者の役割は大きいと考えられるが、それにも関わらず、沿岸域を共通の研究フィールドとしている学会間の討論や共同研究の場は極めて限られていた。沿岸生態系の維持と修復には、関連する学会と研究者の間で共通認識を醸成し、専門家の英知を結集することが必要である。

 こうした認識に基づいて、4学会の協力でジョイントシンポジウムを開催する。