開催趣旨

 沿岸域に対するさまざまな時代要請や国民意識の変化を背景に,国連海洋法のわが国における発効や海岸法の改正など,沿岸域に関わる法体系が大きく変わりつつあり,それらと併行して,今後の沿岸域の環境保全・修復,水産資源管理,沿岸防災等々のあり方・将来像をより多面的・包括的な観点から追求していくことの必要性が強く認識されつつある.本ジョイントシンポジウムでは,これらの基礎となる沿岸環境認識と評価・管理の問題に関して,「多面性」や「総合性」をキーワードとしてさまざまな議論を展開し,今後に向けての課題を明らかにしていくとともに,今春発足を予定している「沿岸環境関連学会連絡協議会」(土木学会/海洋学会/水産学会/水産工学会)を中心として開催予定の,宍道湖・中海プロジェクトを対象とした現地ジョイント・シンポジウムに関する前段的な議論を行う.さらに,現在,緊急の対応が求められている有明海・諫早湾干拓問題についても,今後の対応戦略のあり方ついて議論する.