開催主旨
東京湾三番瀬をめぐる議論が、環境保全から環境修復へと大きく変化している。その議論のなかで、三番瀬の環境が江戸川放水路河口部として放水路と深い関係にあることが着目されている。放水路には河口として三番瀬とは異なった独特の生物相が維持されていると同時に、洪水や青潮の影響を受けており、また洪水時の土砂の流出は放水路のみならず三番瀬の生物生息に大きな影響を与えている。本来、河口に広がる干潟はこのような河川の洪水によるダメージを受けながらも、それにより運ばれてきた土砂によりその構造が成長維持され、結果的に豊かな生物の生息環境を用意してきた。近年の放水路と三番瀬の環境に関する研究成果をもとに、三番瀬を放水路と一体となった河口環境と考えたうえでの三番瀬の未来像を探る。