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学生の皆さんへ

研究内容をご覧になればわかる通り、本研究室では海洋中の流れや波といった物理現象を扱っています。 物理と言うと小難しい印象を持つかもしれませんが、そんなことはありません。 本研究室では「黒潮」や「潮汐」のような目で見ることのできる身近な現象も数多く研究対象としていますし、なにより、複雑な現象の背後にある力学機構をなるべくシンプルな形で提示することを重視しています。 少数の基礎法則から自然界の謎を解き明かしていく過程をともに楽しみましょう。

配属した学生さんには、数値シミュレーションまたはデータ解析を行って頂く予定です。 内容によっては現場観測や理論的な研究も可能です。 何を行うにしても、海洋物理学の基礎を勉強することと、初歩的なプログラミング技術を身につけること(言語は Python または Fortran)が必要になります。 研究室配属後、少しずつ勉強していきましょう。 海への興味さえあれば自然と身についていきますので、心配する必要はありません。

参考までに、これまでの卒業論文のタイトルを列挙します。 日本海の深層循環や若狭湾の「急潮」現象など、日本海沿岸の中央部に位置する本学科ならではのテーマを扱ってもらいましたが、もちろん世界中の海が研究対象になります。 少しでも興味のある方はぜひ気軽に話を聞きに来てください。 大学院でさらに研究を深めることも大歓迎です。


過去の卒業論文のタイトル

2023年度

2022年度

2021年度


研究室選びの参考に

上に述べたような研究内容はもちろん最重要ポイントですが、約1年半を過ごすことになる研究室ですので、教員との相性や研究室の雰囲気も同じくらい重要です。 気になる研究室があれば積極的に訪問してみることをお勧めします。

その上で、本研究室で楽しく過ごせそうな人を私なりに考えてみます。

1. 海の流れや変動に興味がある。
迷う必要はありません。本研究室で探究心を存分に発揮しましょう。

2. 考えることや手を動かすことが好きだ。
あれこれと考えを巡らし、浮かんだアイディアを自分の手で確かめる。その繰り返しの後、これだと納得できる結論に到達する。これが研究の醍醐味ではないでしょうか。一緒にとことん議論を深めましょう。

3. 数値シミュレーションが面白そう。
マイクロスケールからグローバルスケールまであらゆる海洋現象を対象にすることができます。自分で実験設定を考えたりするのは楽しいですよ。

4. 研究船に乗ってみたい。
学部生のうちは難しいかもしれませんが、大学院まで進めば、その間に乗船する機会が持てるよう努力します。最近は乗る機会が減りましたが、私自身、オホーツク海、インドネシア多島海、南極海など世界中の海で、計300日以上の乗船経験があります。

5. 環境問題に興味がある、SDGsに貢献したい。
地球温暖化や海洋プラスチックゴミなどの環境問題を深く理解するためには、海洋物理的な視点からの考察が不可欠です。その上で、科学に立脚した、リーズナブルな対策を考えていくことが重要だと思います。私自身は基礎研究よりの嗜好ですが、より応用的・実用的な面を重視する方と相補的な関係で研究を進めることができれば理想ですね。

6. グローバルに活躍したい。
成果はすべて分野トップレベルの英文国際誌に公表しています。一緒に世界をリードする研究を目指しましょう。

その他、以下のような方も大歓迎です。

a. 実験が苦手なことに気づいてしまった・・・
私も避けてきました。本研究室では生ものを扱うという意味での実験は基本的にありません。

b. 知識を詰め込むのが苦手だ。
暗記しなければならないことは一つもありません。重要な知識は自然と理解されていきます。

c. パソコンが苦手だ。
私も苦手ですので一緒に頑張りましょう。また、テーマによってはほぼパソコンを使わずに研究を完結させることも可能です(ただしそれはそれで多少の苦労は伴いますが)。

d. 海洋物理を勉強したことがない。物理・数学は苦手だ。
心配いりません。研究を進める中で、必要になったときに集中的に勉強すれば身につきます。私自身もそうでした。


卒業生の進路

卒業生はまだ多くありませんが、全員、さまざまな業界(自動車保険、環境コンサルタント、システムエンジニア(SE)、ダイビングインストラクターなど)で活躍しています。

就職した後にもかかわらず、学会発表に参加してくれた卒業生もいて、嬉しかったですね。


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