看護福祉学部・看護学科

教員名 評価対象授業科目名 感想・コメント
糸川 嘉則       医学概論 1 どれが重要な問題なのかわからないというコメントについて
  医学概論という授業は広範な医学の中で特に看護福祉学部の学生に重要であると考えているもののみに限って選択して講義している。したがって、すべてが重要であると考えて欲しい。必ずしも国家試験によく出るものが重要であるとは限らない。国家試験については個々の学生が過去の問題等を参考に勉強して欲しい。
2 声が小さくで聞きにくいと言うコメントについて
  大きな会場で講演や講義を行っているが,そのような不満は聞いたことがない。むしろ学生諸君の私語が多いためではないかと考えている。高齢者の教員に対して大きな声で講義するという要求は少し酷ではないか。
福田 春枝 看護研究方法論  授業評価の感想を大勢の方からいただきありがとうございました。
 今後の講義に活用したいと思います。課題については皆さんの反応があり良かったと思います。
森谷 修三       教養ゼミ  コメント無し
加藤 卓次       臨床病態学T  学生による臨床病態学Tの授業個別評価結果については真摯に受け止めています。授業の難易度については、臨床病態学という今までに全く聞いたこともない新しい内容の講義で1年生の学生にとってはとまどいもあるでしょうが、なるべくわかりやすくをモットーに今後も授業資料など工夫していくつもりです。また、授業速度については、国家試験対策も兼ねながら、膨大な内容を非常に少ない時間数で講義しなければならないことから、つい授業速度が速くなっているようです。今後は講義内容全体を見直して、授業速度に配慮したいと考えております。
 臨床病態学は病気の本態を把握し、そこから治療や看護を理解する科目であり、それには繰り返し学習することで正確な基礎知識を得る必要があります。学生の皆さんの日々の学習にも期待します。
國分 恵子       地域看護学活動論U  コメント無し
吉村 洋子       老年看護学概論  教育内容・方法についての意見では、プリントが多すぎる、レポートが多すぎる、スライドを送るスピードがはやすぎるがそれぞれ数人づつありました。もっともな指摘だと思います。15時間で概論を展開しようとするとどうしても盛りだくさんになります。さらに、内容が時間に対し多すぎることもあって(自覚しています)、授業時間が長引く、クラス進度がはやいという意見にもつながるのだと思います。教育内容の精選に努力します。
 きちんと授業に関心をもってほしいと思いミニテストをしていますが、むずかしいという反応がありました。しかし、前のクラスでやった内容をとりあげましたし、プリント等参考にしてよいという方法でおこないました。学生の理解力がよくわかり、私はとても参考になりました。結果を次回のクラスで返却しましたので、コメントなどみていただければ参考になったかと思います。
このような教育内容、方法に関する意見はある程度予測していました。しかし、興味深い内容だったとか、◯◯についてよくわかったという意見もありました。とくに大変だった、難しかったという老人へのインタビューもやってよかったと書かれているものもあって安心しました。
 出席をとる時間について、クラスのはじまりにするのがいやだというものがありました。しかし、1限目の授業では、学生がだらだらと教室にはいってくるので、9時からきている学生には迷惑なことだと思います。時間はまもってほしいと思います。また、教室が狭いという意見も多くありました。空いていれば他教室を考えることも可能ですので、教務課と交渉して改善したいとおもいます。
高鳥 真理子      基礎看護技術U  学ぶ側からの評価はたいへん気になるところでしたが、期待以上の良い評価を頂き安心し、また、励みにもなりました。感想欄にも皆さん書いて下さり感謝してます。
 このような評価制度がなくても、授業というものは、一般の人間関係と同様の相互作用によって成り立つものなのですが、学ぶ側からの評価がどの程度のものかは、これまでは教える側の感受性に任されてきたきらいがあります。こうした授業評価により、教える側に客観的な自己評価を迫られたことは、意味があることだと思います。
 2、3名の方から、マイクを使用して欲しい、プリントサイズを揃えて欲しいという要望がありましたので、それらも踏まえ今後とも授業内容を改善していきたいと思っています。
本田 和正 生体構造学  自由記述欄を読んで、耳が痛い部分がいくつかありました。改善できる点については意識的に改善していきたいと思います。ただし、この科目は修得すべき知識の量が多く、内容的にも難しいので楽に単位修得できないということだけは認識してほしいと思います。授業を聴くだけで全てが理解できるわけではなく、諸君が自ら学ぶ気持ちをもってそれ相当の努力をしないと絶対に習得できません。授業時に配っているプリントは教科書の内容をまとめると同時に教科書では不足している点を補足する内容にしているつもりであり、私の言いたいことは全てこのプリントに記述されています。したがって、プリントに書いてあることしかしゃべらない授業では意味が無いと言う感想には断固として反論します。また、重要な点がはっきりしないと言う指摘が多かったですが、頻繁に行う演習問題は重要事項を出題しているので、答えがあっているかどうかだけに一喜一憂するのではなく、出題事項に関連した部分を掘り下げて勉強すれば自然に重要な点が身に付くはずです。
芦野 勝枝       産業看護論  学生さんもたくさんの講義の評価をしなくてはならなくてさぞや大変だったと思います。たくさんの思いや考えがあると思いますが、講義の時などに、直接教員と話し合ったり、意見を言うことも大切ではないかと思います。自分も含めたみんなの学習が深まるようにするとよいと思いました。
福原 隆子       成人臨床看護学V 今回皆さんの評価コメントを見ていきますと、テンポは早かったが内容的にわかりやすかった、おもしろかったとプラス評価の学生さんがいらっしゃる一方で、スライドの切り替えが早すぎてノートがとれなかった、ついていけなかった、書くことに精一杯でじっくり聞けなかった、集中して聴くことで疲れた等、講義スピードに関する不満に加え、講義の際にスライドのプリントを配布してほしかったという要望が多数を占めました。本年度は講義日が2回祭日と重なり、しかも補講時間も取れなかったことから、特に後半、早く展開せざるをえなくなりました。こちらとしては、実習や国家試験に備え必要最低限の内容だけでも習得してもらいたい、また、当講義の筋骨格、脳神経系等の領域は、難解、苦手、不得意としてきた学生さんが多いため、できる限り忌避感を取り除き興味・関心を高めてもらいたいという思いから、イラストや解剖図、模型等を多く用い、履修済み教科の復習にも結構時間をとるように努めてきました。しかし、内容量が多くなった分速度アップをはからざるをえなくなり、皆さんにとってはオーバーワークとなり、結果的に、学習意欲、理解度において個人差を大きく生じさせてしまったのだと振りかえさせられました。今回の評価項目・コメントだけでは、早かったが内容的にわかった<プラス評価>の学生さんと、早すぎてついていけなかった<マイナス評価>の学生さんとの間にどのような要因差があるのかについてはよくわかりませんが、いずれにしても、こちら側の事情や期待だけを一方的に押しつけるのではなく、学生さんにとってよりよい成果をもたらす授業を展開していくためにどのような工夫が必要か、皆さんの意見をとりいれながら検討し、取り組んでいかなければならないことだと思いました。

田嶋 長子       精神臨床看護学  コメント無し
大川 洋子       母性臨床看護学  今回初めて試行された授業評価を真摯に受け止めています。従来、私は最後の授業の際に、学生評価を入れていましたが、他の教員が調査することにより教員へのバイヤスはすくなかったものと考えています。
 学生のコメントをみると、母性看護学への関心や助産師への関心が出てきたという意見はうれしい限りです。
授業の内容についてアンケート項目は不足な点もありますが、母性臨床看護学の講義は、看護実践の実際を理解し、さらに学生の病院での臨床看護実習の実践につなげていくために、知識の組み立てや考え方を提示したつもりです。学生からの指摘はなかったようですが、詳しすぎる箇所もあり、訂正が必要な箇所も多くあります。
 この評価を臨床実習後の評価・意見を比較することによって、より適切な授業評価となると考えています。
細谷 純子       地域看護学活動論T  授業内容が難しくて速いという評価でした。私自身も、難しくて多くの内容を短時間で教えていると感じています。しかし、これも実習・国家試験・実践に必要な知識からみるとほんの一部にしかすぎません。しかも、地域社会、法律、行政の役割、医学、看護職の専門性、地域で働く専門職など大きく変容します。その為、大学で覚えた知識が、そのまま将来にわたって活用できる可能性は低いといえます。つまり、卒業後は、自分自身で変容した内容を学習し、自分自身で考えて実践していく主体性が求められます。この態度は課題学習、グループワーク、特別講義、テストなどさまざまな体験で学べると考えます。
 皆さんは大学生です。卒業して社会にでると実践力はもとより高い思考能力を求められます。他大学の方と肩を並べます。それで私は多くを望みます。皆さんとのギャップの大きさに、説明を諦めることや課題の要求水準を下げたりすることもありました。また、成長を感じるグループは課題を難しくすることもありました。しかし、私のこの判断は皆さんには伝えていませんので、混乱の元になると思います。きちんと伝えるか一定の水準にします。さらに、講義の導入、基礎知識、用語の説明に十分時間をかけ、ゆっくり授業するように工夫し、質問の時間としてオフィスアワーを確保したいと思います。
 また、講義の内容と説明などの資料をWebCT上に準備します。講義の全体像、課題、講義資料、用語集、教員への質問・要望などを準備中ですが、私自身の時間とパソコンの技術不足のため、今少しお待ち下さい。今回、皆さんが作成した保健指導手帳、保健事業計画はダウンロードできるようにしました。WebCT地域看護学資料集にありますので、ぜひ利用して、自己評価してみて下さい。学びが深まり、かつ卒業後に資料を作成する際の参考になると思います。

寺島 喜代子      老年臨床看護学T  私は9項目の質問を、「教え方」、「内容」、「興味関心」の3領域に再分類したうえで、評価得点をみてみました。その結果「興味関心」は最も高く、老年臨床看護学Tの講義内容は老年に関する学生の興味関心を刺激し得るものであったことを再確認でき嬉しく思いました。しかし、「内容」においては難易度が高く理解しづらいものであり、さらに「教え方」においても話し方が早いのが、学生の理解を妨げていたようです。
 自由記載の内容においては、グループワークの大変さがかなり強調されていました。これは老年臨床看護学Tの最後の授業がグループワークの発表会を重ねていったこともあのような学生の意見に繋がっていると思います。高齢者を取り巻く複雑かつ多様な問題に、学生自身が自分達の目で、自分達の角度からとらえる事で、理解と興味が深まるとのねらいからグループワークの方法を選びました。しかし、他の講義との兼ね合いや、グループメンバー間の調整、講義が週に2回というハードさがあの意見につながっていると推測します。
 新カリキュラムからでは、2年生後期から老年臨床看護学Tがはじまり、週に1コマの授業となりますので、グループワークのハードさは緩和していくと考えています。また私の「教え方」に関しては、講義内容を精選して話し方に余裕を持たせて学生の理解を深めていけるようにしたいと考えます。
赤川 晴美       小児臨床看護学  授業に対して忌憚のない意見をいただきました。<プリントが多い>はご指摘どおりで、途中から裏表印刷しましたが、なかなか減りませんでした。<熱意は伝わるが>、教員の熱意だけ空回りしないようにします。<教科書に関連づけて授業してほしい>は、教科書は必要な知識を網羅しているので購入するように、辞書代わりに使うように説明しています。授業予定を知らせていますので、教科書等で予習して臨むこと、授業ですべて完結できませんので、後で調べ直すなど、「主体的に学ぶ学習者であってほしい」と、望みます。<やることが多い>・<中途半端>・<詰め込み>・<演習時間が足りない>・<もっと演習・事例展開をしたい>・<3年前期だけで小児の疾患などを学ばせるには無理>など、ゆとりのない授業になっています。指定規則では小児看護学は4単位ですが、本学は概論と臨床で3単位です。1単位不足分を凝縮することになり、詰め込みと感じるのも無理ないことです。何を教授するか洗練していきます。なお、小児疾患を学ばせようとはしていません。看護学的な病気の見方を学んでもらいたいのです。そのために典型例を用いて事例展開するワークを平成16年度は6コマ分とりました。<事例展開は難しかったが、グループで考えて発表して学ぶことが多かった>は、うれしい評価です。<参加する人としない人に分かれる>・<分担作業になりやすい>には、参加しない人は一人の頭で考えるには限界があること、他人との頭のつきあわせによって思考は発展することの重要性を体得できたのでしょうか。看護は一人ではできませんから。教材について<ビデオを見る授業は楽しい>・<もっとビデオでイメージを>・<事例をあげているのでおもしろい>・<プロセスレコードを用いて分かりやすい>などは、今後も抽象的な授業展開にならず、具体的に小児看護を考えていけるように工夫していきたいと思います。

牧野 智恵       成人臨床看護学T  今回初めて自分の講義内容について学生の立場から評価していただき、学生の評価内容を謙虚に受け止めたいと思います。
 これまで、少しでも看護学生が患者を看護することに生きがいを感じてほしいと思いいろいろ講義方法を検討してきました。その熱意が少しでも学生に届いていたのだということを知り、うれしい限りです。また、ターミナル期患者の苦悩の世界を理解してほしいという思いも学生に伝わったようで、ほっとしています。まだまだ未熟者で、伝えたいことがうまく説明できず、臨床に出たことのない学生には理解しにくい内容もあったようなので、少しでも多くの学生がもっと看護に関心を持ってくれるようわたしももっと授業の方法を勉強していきたいと思います。