2004年4月のニュース
2004年10月27日

 ・たまには法学士らしく

  意外と知られていないようですが,手紙の文章にも著作権はあります。
  但し,時候の挨拶や「台風被害は大変でしたね」などの単に事実を羅列したものに
  創作性があるか,従って著作権があるか否か私には判断できません。
  (一般には「ない」と言われているようですが)

  でも,思想や意見を書いた部分については当然ながら著作ですし,
  その執筆者に著作権が生じることになります。
  従ってその内容を勝手に公表してはダメということになります。
  (公表するかどうかは著作権者が決めることですからね〜)

  では,お仕事として書いた文章はどうなるのでしょうか?
  これは雇い主が企画し,雇い主の名前で広報するならば(新聞なんかがそうですね)
  著作権は雇い主にあるという解釈もできます。
  つまり「うちで雇ってるやつが書いたんですけどね」という感じで
  公表すればいいわけですね。(但し責任も雇い主が負いますが)

  じゃあ,プライバシーの問題はどうなるの?と言えば,
  時候の挨拶であっても,「玲子ちゃんからこんなこと言ってきたよ」と公表すれば,
  「玲子ちゃんがその人にメールを送った」という事実が明らかになるわけですから
  プライバシーの侵害になるのではないでしょうか?
  玲子ちゃんがその人にメールを送ったこと自体を秘密にしたいかもしれません。

  というわけで,いくら「くっだらなーい」と思っても,
  私のホームページの雑文を好き放題に転載しちゃダメですよ。
  うさぎの絵もすごく可愛いからといって無断で使わないでくださいね!



2004年10月4日

 ・「可愛ゴー」の視点

  私がたまに行く喫茶店に2年前のファッション雑誌Jが置いてあります。
  新しいのを入れてくれないので,毎回毎回それを読んでいます。
  その中によく出てくる言葉「可愛ゴー」の意味が分からなかったのですが,
  特に調べることもせず読んでいました。
  (使用例:「可愛ゴースタイルにはこのワンピース!」)
  そろそろ,この雑誌にも飽きてきたところなのですが・・・・

  たまたま去年の「現代用語の基礎知識」を読んでいたところ,
  「可愛ゴーとは,可愛くてゴージャスの略語」との説明を発見。
  おー!そういう意味だったのか!! 
  なんか語呂が悪い気もするけど,とりあえず意味は分かった。

  そうなると急にあの雑誌が気になります。
  何となく眺めていた写真の女の子達の洋服は,どのあたりが「可愛ゴー」だったのか。
  これは確かめてみなくてはいけません。
  あのショールや巻き髪もきっと「寒いから」とか「髪が邪魔だから」という理由ではないはず。
  そして私の目で見て,本当に彼女たちのスタイルは「可愛ゴー」なのか。

  ・・・・いきなり研究の話になりますが・・・・

  私の研究対象である漁業も研究以前に存在しています。
  (研究者が何もしなくても漁業者は今日も明日も漁業をするでしょう。)
  それをどういう視点で解釈・分析するのか・・・ここが問題となります。
  私自身は「へー,なるほどね。うまいこと言うねー」というのが
  優れた理論の持つ特性の1つだと考えています。
  ですから,優れた理論は分かってしまえば「なーんだ。当たり前じゃん」という気にさせるのです。

  でもね・・・
  女の子(と洋服)を「可愛ゴー」の視点で見るか,「景気とスカート丈の関係」で見るか,
  これによって同じ対象が違った意味を持ってくるのです。
  どの視点が一番本質に近づくのかを探すのが研究の課題でしょうかね。
  そしていかに「当たり前じゃん」と思わせるか。