2005年6月24日
・追記
昨日の日記に対して,ある親しい人から
「世の中で毎日行われている事を学術的に見るとこういうことなんだなあと思いました。」
という感想メールを頂きました。
そうなんです。
ある人々が毎日行っていることは,時に非常に興味深いことなのですが,
それを実際に行っている人は当たり前のこととして捉えている・・・これがまた興味深い点です。
ただ,その興味深いことが学問として取り上げるのに良い対象かどうか,
このあたりの嗅覚の鋭さ如何が,研究者としての資質に関わっている気がします。
自分がどうとか,こうとかは別にして。
2005年6月23日
・学会報告の報告(1ヶ月遅れ)
どうも更新を怠りがちです・・・もともと筆まめではないので・・・
というわけで,1ヶ月ほど前に終わった漁業経済学会の報告など。
今回は,一般報告の部で「『小鯛のささ漬け』加工業の構造と存立条件」というテーマで報告しました。
「小鯛のささ漬け」は小浜の名産品なのですが,
それを加工している業者の構造が興味深いということが分かってきましたので,まとめたのです。
私は今まで国際的な地域漁業管理機関だとか,
カナダの大西洋岸漁業だとかをメインに研究していたのですが,
今回たまたまこの身近なテーマを扱うことになったのです・・・・卒論生が一生懸命調査をしたので・・・。
学会では報告の後に,色々な先生方からアドバイスを頂くことが多いのですが,
今回が一番声をかけてもらう機会が多かった気が(いや,学会デビューの時以来か?)
「芸域が広がったね」と言ってくださった先生も。
「小鯛のささ漬けを持ってこないと話にならない!」とも言われましたが・・・それは自分で買ってください。
というわけで,報告要旨のpdfファイルです →
「『小鯛のささ漬け』加工業の構造と存立条件」
ちなみにセカンドネームになっているのが卒論生ですが,彼は卒論ゼミで
「小浜の加工業をやります」→「業界団体に聞きに行ってきます」→「ささ漬けが多いみたいです」
で,私が「多いって言っても14軒でしょう〜全部に聞き取り調査すれば〜?」と
半ば冗談で言ったところ,
「はい!そうします!」と言って本当に調べに行ったのです。大したもんだ。
2005年4月22日
・カナダ政府の研究助成
今日,カナダ大使館から郵便が来て
前に応募していたカナダ調査旅費助成の申請が通ったとのこと。
4週間の現地調査経費&往復旅費を出してもらえることになりました。
現地の漁期終了直後の8月終わりから9月半ばにかけて行こうと思っています。
調査は「タラ漁業モラトリアム後のカナダ大西洋岸漁業の経済的分析」というタイトルで,
ニューファンドランド島の最北端のSt. Anthonyやらその対岸のケベック州のBlanc-Sablonやら,
僻地をうろうろして来ます。
なるべくたくさんの漁業者・加工業者にインタビューしたいと意気込んでいるのですが・・・
カナダでは,1990年代初頭に底魚資源が崩壊した時には,たくさんの調査が行われたのですが,
その後のことはあまり明らかになっていないのです・・・
私もよく分からずに闇雲に調査していたのですが,どうやらドラスティックな変化があったようで。
こ,これは相当面白いかも・・・と思いつつ何度か調査してきたんですよね〜。
今朝,大学のメールボックスを見たらカナダ大使館からA4の封筒が入っており,
去年の「補欠ですよ」の通知が入っていた定形郵便と違うので,どきどきして開けました。
夏が来るのが楽しみです。