オーストラリアの高齢者アセスメントチームについて
Central Sydney Area Health ServiceのService manager Cynthia Tangさんに聞きました。
Cynthiaさんはシドニー地区の高齢者医療ケアアセスメントチームのについて説明していくださいました。このAged Care Assessment Team Program(以下ACATプログラム)は1986年より施行されました。1970年代のオーストラリアではナーシングホームにいる25%の高齢者が入居する必要がないのに入居させられていました。その一番の原因が一般医が適切なアセスメントを行うことなく施設へ入居させていたことです。そこで、新しいプログラムによって政府が高齢者自身へ在宅か施設入居かの決定権と適切なアセスメントを提供するようになりました。ACATプログラムには主に4つの特徴があげられます。まず1つは、チームによって高齢者一人一人の身体的、精神的、社会的機能を正確に査定することです。ACATチームは、医者、看護婦、作業療養士、ソーシャルワーカー、物理療養士、言語セラピストなどによって構成されており、各クライアントによってチーム内のキーパーソンが決められます。必ずしも、ケアマネージャーは医者とは限りません。2つめは、高齢者と介護者の希望を第一に考慮することです。ACATチームのアセスメントは絶対的な効力を持つものではなく、高齢者自身がアセスメントを必要としなかったり、従いたくない場合は従わなくてもよくなっています。3つめの特徴は、ACATは医療サービスやナーシングホーム入居のためのアセスメントだけでなく、在宅等の福祉サービスのアセスメントやコーディネーションも行うことです。つまり、様々な介護を必要とする高齢者に対して総合的にサービスをコーディネートする機能ももっています。そのために、ACATの窓口は高齢者自身だけでなく家族、親戚、近所、あらゆる人々にオープンにされており、積極的な情報提供も行います。4つめは、高齢者自身にもっとも適切なプランをつくるためのアセスメントを行うためにクライアントのアセスメントへの参加を強調しています。つまり高齢者が受け身的にACATチームのアセスメント情報をもらうだけでなく、クライアント自身がケアプランの作成と実施に深く関わるということです。