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植物ペプチドホルモンの起源を探る研究

植物は約4.8億年前に陸上化してから、大気中という環境での生活に適応するために、様々なものを変化させてきました。細胞間コミュニケーションもそのひとつで、多細胞生物として陸上で生活していくために必要な様々なコミュニケーションの方法を獲得してきました。

ペプチドホルモンとその受容体を介した細胞間コミュニケーションも、陸上植物に広く存在し、様々な機能を有しています。それぞれの機能をみてみると、陸上で自由に動くことのできない植物が生存のために獲得した優秀なシステムばかりです。

しかし、これらは植物が陸上化してから獲得されたシステムなのでしょうか。近年、様々な水生藻類のゲノムが相次いで解読され、遺伝情報が明らかにされてきています。それらの中には、ペプチドホルモンの受容体とよく似た遺伝子がいくつもみつかっており、植物は、陸上化する前からペプチドホルモンを使って細胞同士がコミュニケーションをしていた可能性がみえてきました。

藻類はペプチドホルモンを持っているのか?だとしたら、水中で生活する藻類がペプチドホルモンを使ってコミュニケーションする意味は?機能は?私たちは、さまざまな水生藻類をサンプルとして、植物の陸上化以前に存在するペプチドホルモンの同定と、植物ペプチドホルモンの起源に迫る研究に挑戦します。