福井の近代土木遺産■■■
■桜橋(南条郡南越前町)
明治17(1884)年、武生から敦賀に至る新たな車道が着工。この橋はその折に河野川に架けられた石造りアーチ橋で明治19年に完成している。
この橋が架かる一帯は、西は河野に至る分岐点にあたり、昔から交通の要衝であった。現在もこの橋の頭上に国道8号線が通っている。
周辺に桜の木が植えられ、石橋と桜の景観が心を安らげるとして、自然に桜橋と呼称されるようになったという。
明治40(1907年)には周辺集落の分校が統合されてできた、桜橋尋常小学校の学校名にもなった。地図はここ ▲地元教育委員会の解説碑 ▲橋下内部 ■眼鏡橋(坂井市三国町宿) えちぜん鉄道三国芦原線の終点、三国港駅。その約300m手前の線路をまたぐ形で「眼鏡橋」が架けられている。
この橋は、大正2(1913)年に鉄道院(現在のJR)が、金津から三国まで繋がっていた三国線を更に三国港まで延ばす際に造られた。レンガをアーチ状に積む様式であるが、線路と橋が斜めに交差するため、アーチにねじりが加えられている。車で通行できる橋の上部から覗きこめば、その特徴的な意匠を間近で見ることができる。
平成16(2004)年には国の登録有形文化財に指定された。地図はここ ▲道路から見た橋と碑 ▲横手(線路)から見た橋
■小舟渡橋(勝山市下森川〜永平寺町藤巻)
大正3年越前電気鉄道が通り小舟渡駅が開業すると、対岸との交通も従来の船橋に代えて永久橋が必要とされ、大正12年、河川敷部分はI桁橋、流水部は曲弦トラスと直弦トラスの三連を継ぎ合せた小舟渡橋が完成する。総工費は14万に達した。今でも完成時の構造を残している貴重な近代化遺産の一つである。
隣接する小舟渡山には小舟渡遊園地(後かまぶろ温泉)も開業し、往時は賑わったが、平成14年廃業となった。地図はここ ▲架橋記念碑 ▲橋脚部分
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