福井の近代産業遺産■■■
■旧大井デパート《大井洋装店》(武生市元町) 昭和6年12月に県内2番目のデパートとしてオープンしたこのビルはルネサンス建築を基本にした「近世復興式」と呼ばれる欧風建築。鉄筋コンクリート3階建てであり、外観、内部ともに重量感のある佇まいである。また2階正面のアーチ式の窓や柱上部のコリント様式の飾りなど印象的なデザインが注目される。以前は1、2階が商品陳列場、3階が撮影所として使用されていたが、現在は1階のみが店舗として使用されている。
建物だけでなく、武生初の米国製9部門レジスターなど昭和初期を偲ばせる貴重な物品も所蔵されている。地図はここ ▲昭和初期米国製レジスター ▲アーチ式窓 ■恵美写真館洋館(鯖江市本町)
明治28年創業の恵美写真館。旧北陸道の一筋東側の通りに面し、現在の店舗脇の表門から続く石畳の先に洋館が屹立している。当時としては新しい職業の「写真館」。
創業者の恵美善之助氏が明治30年に今立郡役場から受けた写真師鑑札も洋館内に遺されている。創意に富んだ左官職の技術が見事に活かされた明治後期の木造擬洋風建築として質の高い建造物である。玄関上部のアーチに施された鳳凰の漆喰模様等は大変見ごたえのある意匠である。地図はここ ▲保存されている古機材 ▲玄関上部の鳳凰
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