福井の近代産業遺産■■■
■旧武生郵便局(武生市蓬莱町)
大正2(1913)年に武生の町を襲った大火によって前の局舎が被害に遭い、翌3(1914)年に武生市中心部の蓬莱町に建築されたのが、この建物。
昭和4(1929)年にまた新たな局舎が新築されて移転するまでの約15年間、郵便局舎として活躍した。特徴的な意匠としては、屋根の降り棟の鬼瓦に郵便局を示す「〒」マークを見ることができる。
その後、簡易保険健康相談所、医師の住宅として使用され、平成11(1999)年の復元的な改修工事を経て、現在は建築設計事務所(一級建築士事務所M工房)兼住宅として使用されている。登録文化財にも指定。地図はここ ▲「〒」マークの鬼瓦 ▲2階窓部分 ■旧鯖江地方織物検査所(鯖江市旭町)
人絹織物検査所の事務所として昭和10年に建てられた。洋風木造2階建の建物で内部には当時使われていたカウンターがそのまま残っている。
旧今立郡の中心地であった鯖江町も日本有数の繊維産地であり、この付近は明治から昭和にかけ、多くの繊維産業関連の建物が軒を連ねていたが、現在ではそのほとんどが姿を消し、福井県の近代繊維産業の歴史を物語る数少ない遺構として、この建物は貴重な存
在である。
現在は「さばえ現代美術センター」として使用され、市民にも広く親しまれる場所となっている。地図はここ ▲天井部分 ▲当時のカウンターが現存
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