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福井経済125年のあゆみ


1.福井県の成立と125年間のできごと  その1


 福井県は古代の越前(えちぜん)国と若狭(わかさ)国から成り立っている。
 「越前」と書かれた最初の記録は「日本書記」である。それまでは、高志前(こしのみちのくち)であった。
 古代は、現在の北陸地方は若狭および高志(こし、越とも書く)とよび、高志はさらに、前(みちのくち)、中(みちのなか)、後(みちのしり)に三分類されていた。
「古事記」には、神宮皇后が若狭の国を経て高志前の角鹿(つぬが、敦賀のこと)に仮宮を造ると書かれており、若狭国、高志国が登場する。

 大化改新後、国郡制が確立し、越前と若狭となるが、若狭については現在と変わりがないものの、越前は現在より広く、今の石川県の地域を含んでいた。その後奈良時代(718年)に能登国が分立し、平安時代(823年)には加賀国が新設されるに至っている。

 明治維新後、一旦は、旧藩をもとに、福井、小浜、丸岡、大野、鯖江、勝山などの各県が置かれるが、まもなく福井、敦賀の2県に統合され、さらに福井県は足羽県と改称された。明治6年1月には、足羽県を廃し敦賀県に併合して、越前・若狭は初めて1行政区となった。
 ところが、明治9年8月、維新政府は府県にさらなる統廃合をすすめ、敦賀県は廃され、嶺北7郡は石川県に、嶺南4郡は滋賀県に分属させられるに至った。
 しかし、越前の人々の反発は強く、明治14年2月越前、若狭の地域をもって福井県を設置し、現在に至っている。


(福井県設置までの県域の推移)

125年のあゆみ(明治大正編)

明治9 8月 嶺北7群が石川県、嶺南が滋賀県に分属となる
明治10 4月 福井藩士族14名毛矢町に織工会社を興す
明治11 1月 本県初の銀行第二十五国立銀行開業(小浜)
5月 エッセル、三国港の修築工事着工
10月 第五十七(武生)、九十一(福井)、九十二(福井)銀行設立
明治13 4月 福井商法会議所設立
明治14 2月 嶺南が滋賀県より、嶺北が石川県より分離し福井県が設置される
3月 福井県庁開庁(越前国足羽郡福井佐佳枝上町51番地)
10月 福井新聞(第1次)発刊
明治15 1月 福井県立福井中学校開校
3月 長浜〜敦賀、柳ヶ瀬隧道を除いて鉄道運行開始
12月 嶺北7郡の地租改正再調査完了
明治16 10月 坂井郡堀江十楽村で温泉発見される、芦原温泉の発見(陰暦9月9日)
明治17 4月 柳ヶ瀬隧道竣工し、敦賀〜長浜間に鉄道全通
明治19 6月 県内全域にコレラ大流行
7月 一郡一警察制度を完備する
明治20 3月 高力直寛、福井に羽二重織を教授
春日野道(武生〜敦賀)開通
明治21 4月 大野町大火延べ千数百戸焼失
明治22 2月 (大日本帝国憲法発布)
4月 市制・町村制を施行、県内を1市9町168村とする
2月 福井に市制を施行する
明治23 1月 福井地方裁判所設置
5月 前年来の米価騰貴のため庶民の生活困窮する
7月 第1回衆議院議員選挙実施
明治25 11月 敦賀に大和田銀行設立
羽二重生産群馬(桐生)を抜き全国1位となる
明治26 11月 県絹織物同業組合、染物伝習所を設置
明治27 4月 福井生糸取引所設立
明治28 4月 日本赤十字社福井支部を設立
7月 〜8月暴風雨で河川氾濫し、県内各地で被害がでる
明治29 4月 勝山町大火1,200余戸焼失
7月 北陸線 敦賀〜福井間開通 福井駅開業
8月 暴風雨で前年に続いて各地で被害がでる
10月 敦賀港開港 外貿易港に指定
明治30 9月 福井〜小松間の鉄道開通
10月 (金本位制施行)
明治31 1月 福井測候所を設置 天気予報開始
10月 重要輸出品同業組合法により県絹織物同業組合の組織改正
明治32 5月 福井市に初めて電灯がつく(京都電灯宿布発電所運転開始)
6月 大野町大火700余戸に及ぶ
8月 福井新聞(第4次)発刊
12月 福井銀行設立
明治33 4月 県農会農事試験所開設
4月 足羽郡木田村の火災、福井市内1,891戸焼失
明治35 3月 福井市橋北大火3,300余戸類焼
4月 福井県立工業試験所開設
10月 福井電話局開局、電話申込受付開始
明治36 3月 敦賀町で大火170戸焼く
3月 九頭竜川改修工事始まる
4月 武生町で大火900余戸焼く
7月 福井市に初めて電話開通
明治37 2月 (日本露国に宣戦布告)
明治38 6月 増永五左衛門、麻生水村で眼鏡枠製造に乗り出す
明治39 1月 杉田定一衆議院議長に就任
7月 敦賀〜ウラジオストックに直通航路を開航
明治40 10月 敦賀港、第1種重要港湾に指定される
明治42 4月 福井市立図書館開館
7月 敦賀港第1期修築工事着港
9月 皇太子殿下(大正天皇)行啓
明治44 3月 福井県物産館設置(三秀園跡)
  8月 県内16業者を統合して、福井県精錬会社設立
  12月 北陸線三国支線開通
大正1 2月 福井市営ガス事業開始
4月 県生糸検査所設置
大正2 9月 武生町で大火530余戸焼く
大正3 1月 武岡軽便鉄道(武生〜五分市)開業
2月 越前電気鉄道(新福井〜市荒川間)開業
4月 敦賀港湾改良工事が完成
7月 (第1次世界大戦勃発)
大正5 5月 福井工業試験所で人絹を試織
11月 福井市内でタクシー営業はじまる
大正6 12月 小浜線 敦賀〜十村間開通
大正7 2月 今立郡昧真野村で小作争議起こる
4月 敦賀港と清津など北鮮諸港との間に航路を開く
5月 福井市で大火430戸焼く
8月 福井市で米騒動 軍隊出動
11月 小浜線 小浜まで開通
大正8 5月 福井市で大火560戸焼く
大正9 1月 (国際連盟に正式加入)
4月 経済恐慌で織物不況、倒産相次く、人絹へ移行
6月 福井県対岸実業協会が設立
10月 第1回国勢調査(人口599,155人、世帯数124,910)
大正12 4月 県庁舎 福井城内旧本丸に完成
9月 (関東大震災)
大正13 4月 国立福井高等工業学校(福井大学前身)開校
8月 福井市水道給水開始
11月 皇太子殿下(今上天皇)行啓
大正14 4月 日本赤十字社福井支部病院開院
7月 福武電鉄 武生新〜福井新間開通
8月 福井に市内バス運行開始

昭和編へつづく