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地域経済の活性化に関するシリーズ
当世大学生気質
〜内田樹「下流志向」を読む〜
開催日 | 10月17日(金曜日)、10月18日(土曜日)、10月24日(金曜日)、10月25日(土曜日) <全4回> |
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時間 |
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場所 | 小浜キャンパス 交流センター |
講師 |
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受講対象者 | 一般 |
募集定員 | 20名 |
備考 | 事前にテキストとして、内田樹『下流志向』(講談社)をお読み下さい。 |
講義内容
大学生について語るとき、大学進学者が高卒者の半分に達した、大学の大衆化はどんどん進んでいる、大卒はとっくにエリートでも何でもない、といった表現はきわめてありがちな枕詞です。そんなことは、当の学生たちはかなり鋭敏に、そして一部の親たちもそれなりに気づいています。しかし他方で、例えば「経済学部を出ておけばつぶしが効く」といった、本当にそうなのか根拠不明な言説も、しぶとく生き残っています。教育への期待のなかによりよい経済状態を得ることがあるのは、今も昔も変わりませんし、ある意味教育の使命の少なくとも一つとして、そうした期待に応えることがあるのも事実ですが、それが過剰になると、ありえない期待とあるがままの現実の間のギャップが満たされない気分ばかりが蔓延しそうです。
学生の「ニーズ」ということが言われ、それに応えるべきだという意見は大学側にもあります。じつは、一部の学生はそれが明確にあり、それを実現するために私たちが提供するあらゆる機会を上手にくみ取っていきます。しかし無理な「ニーズ」しか持たないとか、そもそもニーズがない学生も他方にいます。もし大学が今以上にそうした学生のニーズの掘り起こしからゴールまでを手取り足取り提供するようになると、依存とそれへの更なる過剰応答という悪循環にはまり、情報を集め取捨選択し判断し決断するという、大学教育、というより教育一般の本来の役割である自立への手助けが不可能になるのではないかと懸念されます。
にもかかわらず、こうした現状のなかで、学生たちは、実は強かに適応しようとしているようにも見えます。本講座では、いささかネガティブな学生評価の内田氏の著書を手がかりに、具体的な学生、とりわけ私が知る経済学部の学生の今の姿を紹介し、大学教育の役割について受講者のみなさんと気楽に意見交換をしてみたいと思います。
- 福井キャンパス
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