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国際交流に関するシリーズ
フランス女性の職場進出
〜高学歴女性の活躍ぶり〜
開催日 | 7月12日(土曜日)、7月19日(土曜日) <全2回> |
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時間 | 17時00分〜18時30分 |
場所 | 小浜市中央公民館 |
講師 | 経済学部特任教授 葉山 滉 |
受講対象者 | 一般 |
募集定員 | 30名 |
備考 |
内容
フランスの企業では、管理職、専門職といわれるホワイトカラー上層部への女性進出が激しい。高学歴化を背景にして、責任も大きく、給料も高い地位に女性が大量進出しているフランスの実態は、目を見張らせるものがある。
このような女性の職場進出は、昔からではない。カトリックの影響が強いフランスの社会秩序はむしろ保守的でさえあったが、1980年代から先進国一般の男女共同参画に歩調を合わせるように職場での上位進出が始まった。鉄鋼や自動車など比較的マッチョな産業でも2000年には大手企業の管理職、専門職の15〜20%近く、情報通信となると30%近く女性が活躍していた。
ちなみに日本で雇用機会均等法が新しく施行されたのは1980年代半ばであるが、2001年で課長の5.5%、部長にいたっては3.2%が女性であったに過ぎない。
フランスのこのような女性の進出は、実はいま日本で盛んに議論されている少子化と深い関係がある。ここに実に興味深い統計がある。先進国クラブともいわれるOECDの統計では、1980年には、女性の職場進出の大きい国ほど出生率が低く、あたかも職場進出が少子化の原因であるかのようであった。しかし、2000年のデータでは逆に、女性進出の大きい国ほど出生率が高くなっている。男女共同参画の度合が高いほど、出生率が高いのである。
女性進出の初めの頃は、男社会のシステムの中に女性たちは孤立無援に進んでいった。しかし、とくに若年労働力が不足し、高学歴化した女性を含めて活用を迫られると、社会が女性を支援し、女性の望む出産や子育てがより容易になるよう条件を整えていくようになる。企業もそれを怠ると、優秀な人材が採れなくなる。そうしたサイクルがすでに生まれはじめている。これをより積極的に進めようというのが「ワーク・ライフ・バランス(仕事と生活の両立)」の政策なのである。
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