ここでは グローバリズム、情報資本主義ともいわれる現代経済を読み解くための参考書を紹介します。
経済学の醍醐味は、教科書を読むことでは味わえません。「生もの」を食してこそはじめて得られるものです。
但し、「生もの」ですから「食あたり」しないように十分注意しなければなりません。
私も、ここで紹介する図書の見解を全面的に支持しているわけではありません。
しかし、参考になることは間違いないと思います。
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■■■現代資本主義を読み解く
1 アントニオ・ネグリ/マイケル・ハート 『帝国』
〜グローバル化の世界秩序とマルチチュードの可能性〜
水島一憲他訳、以文社2003年2 ダニエル・ピンク 『フリーエージェント社会の到来』
〜「雇われない生き方」は何を変えるか〜池村千秋訳、ダイヤモンド社2002年
3 大内力 『国家独占資本主義』 NEW こぶし書房 2007年 (旧版 東京大学出版会 1970年)
〜以下順次掲載〜 4 エルネスト・マンデル 『後期資本主義』T・U・V 5
■■■経済学の基本を学ぶ
経済学を学ぶうえで、基本となる本、手元に置いて繰り返し読む本としては 、
ここでは宇野弘蔵『資本主義-その発達と構造』(角川選書)をお勧めします。宇野経済学といえば、経済学を、「原理論」、「段階論」、「現状分析」という三段階に整理。
経済学の最終課題は「現状分析」だが、それは「原理論」をベースに、「段階論」を媒介とすることによって可能と主張した。一大学派を形成した宇野派であるが、昨今のグローバリズムの進展で、内部はかなり揺らいでいるようです。宇野 経済学の三段階論に賛成するにしろ、反対するにしろ、
「経済学は何を対象とする学問なんだろう?」「経済学はどうして《科学》たりうるのだろう」
そんな疑問がふと湧いた時、繰り返して読んでみると良い。
今日絶版になって古書店でしか入手できないのが残念だが、段階論の体裁の中に、原理論の論理的根拠が埋め込まれた (大内力による後書き参照)特異な展開で、宇野理論にとっても貴重な書籍となっている。
この点は少し専門的になるが、あまり気にせずに繰り返し読まれることをお勧めします。
▲手前が宇野弘蔵他著「資本主義」(角川選書)、後ろは「宇野弘蔵著作集」(岩波書店、全11巻)。本書は共著のため著作集未収録である。
*研究室には、宇野経済学の対極に位置する梯明秀経済学の 各単行本、著作集(未来社刊)も置いてあります。単行本にも著作集にも収録されていない「労働市場における法的人格 」(上・中・下の1-未刊)、「図式的解明」(上・中・下の1-未刊)などの論文もありますので、関心の在る方はどうぞ。