ペレストロイカ 

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ゴルバチョフ政権下初期の経済動向

 

浅井健(ASAI Takeshi)、99年7月6日予定

 

1. 1985年,ゴルバチョフの書記長就任前後の経済

当時旧ソ連の国民所得はアメリカを100として67%(70年代)、66%(80年代)、87年には64%と大きく差を広げられていた。また工業生産高はアメリカの80%、農業生産高は86%であった。

2. ペレストロイカの方向性

当初はペレストロイカの言葉のように目指すものは政治,経済の全面立て直しであったが後に、「立て直す」というよりも抜本的改革つまり市場経済への移行へと変化した。

3. ソ連の諸産業の問題点

工業は長い間、社会主義的中央計画化経済システムを基礎とした重厚長大型の重工業優先を原則とし量的生産の拡大を目指したため「高度技術品」の質も数も劣っていた。農業は機械化・近代化が遅れており、労働生産性が低く効率が悪かった。

4. ソ連経済悪化の原因

米ソの軍事的・イデオロギー的対決の状況下、民需軽視の経済構造,先進資本主義国からの最新技術の導入の不可能、科学技術革命の立ち遅れ等により、国民経済全体が疲弊した。

5. ペレストロイカによる改革

  1. 軍事支出の削減と生産分野への投資拡大
  2. 過度に中央集権的で硬直化した計画化システムの改編
  3. 技術進歩とその実用化の促進による,あらゆる経済活動の質と効率の引き上げ
  4. 国民の志気高揚,とりわけ労働者の働く意欲の刺激を図って消費財生産と供給の拡大、住宅の増設,商業・サービス網や余暇施設の整備・拡充
  5. 対外貿易の有効利用

6. ペレストロイカの成果

1986年  工業生産高5.0%増, 工業の労働生産性4.5%増, 農業生産性5.3%

好況の要因  大幅な投資増(8.4%増)、エネルギー生産の増大、節酒令と労働規律の引き締め

Vocabulary 10 (Perestroika)

 

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